人の道、友と共に歩み

【前回】

https://kakuyomu.jp/works/1177354055478314367/episodes/16816452218260050228

「………」


「やあ我が友」

「体の調子はどうだい?」


「……はぁ」

「あのなぁ」

「普通」

「あんな喧嘩しといてよ」

「顔合わせんのも気まずいだろうが」


「ん?そうかい?」

「ボクは別に」

「気まずいとは思わないけれど」

「それよりも」

「怪我の様子はどうだい?」


「……滑栄のオッサンに見せて」

「なんでこんな怪我したか聞かれたんだけどよ」

「………喧嘩したって聞いて」

「笑いながら処置しやがった」

「おまけに」

「暫くはこの怪我を味わっておけって」

「術式治癒すらしてくれなかったぜ」

「おかげで」

「動くだけで凄ェ痛ェ」


「そうかい」

「ボクがやった事だから」

「言えた義理ではないけど」

「その程度で済んで良かったよ」


「……大体な」

「お前硬すぎんだよ」

「見てみろよこの拳」

「殴り過ぎて拳の骨がイッちまってんだよ」


「それは」

「悪い事をしたね」


「本当にそう思ってんのか?」

「ッたくよ」


「……我が友」

「もう、無理な真似はしないかい?」


「あ?」


「ちゃんと」

「人として」

「生きてくれるか」

「ボクは」

「それが聞きたいんだ」


「………正直に言うぞ」

「お前の言う事は良く分からん」

「人として生きろだの」

「正しい道だの」

「そんなもん」

「理解出来ねぇよ」


「………そう、かい」


「だから」

「お前が理解してんならよ」

「どれが正しいのか教えろよ」

「こんなボロボロんなるまでしやがって」

「それでテメェが何も分からないって言うんなら」

「マジでキレんからな」


「………っ」

「ふふ……あぁ、勿論」

「教えるよ」

「我が友の傍で」

「人しての生き様を」


「……あー、クソ」

「まだ体がガタつくわ」

「取り合えず、肩ァ貸せ」

「イヌ丸」


「お安い御用だよ」

「それじゃ、我が友」

「部屋まで案内しようか」


「うぉッは、ばッバカ野郎ッ!」

「姫様抱っこはしなくて良いんだよ!!」

「肩貸せって言ったんだ、俺はッ!」


【次回】https://kakuyomu.jp/works/1177354055478314367/episodes/16816452218375407633

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