イヌ虐、八峡怒気狂乱

【前回】https://kakuyomu.jp/works/1177354055478314367/episodes/16816410413997752195



贄波阿羅教師に裏切られたと勘違いしている八峡義弥。

標的を先輩たちから贄波阿羅教師に向けて攻撃するが返り討ちに遭う。

病室送りになって数日後、八峡義弥が贄波阿羅教師を襲撃しようとしていた時。


「クソ、クソッ」

「あの、野郎ッ」

「殺して、やる」

「お、れを」

「む、価ちィ……」

「無価値、とッ」

「言いやがってェ!」

「あ、ぁぁあッ!」

「ッ――――なんだ、テメェ」

「何、俺の前を塞いでやがる……」

「イヌ丸ゥァあ!!」


「……我が友」

「聞いたよ」

「あの狂人に喧嘩を売ったそうだね」


「あ!?何を聞いてんだバカがッ」

「俺が喧嘩を売られたんだよッ!!」

「あのクソ野郎共にッ」

「この、ッ俺をッ」

「無価値だと言いやがったッ!!」


「そうかい……」

「我が友」

「ボクは初めに言っておく」

「その怒りは、捨てるんだ」

「それは」

「キミに良くない影響を与える」


「あぁ!?」

「なにホザいてんだオイッ!!」


「それは」

「本当のキミを歪めてしまう」

「キミと言う存在が」

「消えてしまう」


「あ!?」

「俺の存在だぁ!?」

「意味分かんねぇ事言ってんじゃねぇぞッ!!」

「お前は」

「俺の何を知ってんだよッ!」


「キミは」

「……善い人間だよ」


「はッ……善人ぶった答えだしてんじゃねぇよ!」

「これが俺だッ!これが」

「この存在が、俺なんだよッ!」

「テメェが俺を語ってんじゃねぇ!!」


「ッ……」

「ボクは……」

「人の本質が」

「善性であると信じている」

「我が友も、きっと……」


「押し付けてんじゃねぇよ!!」

「何が善性だ」

「自分にとって」

「都合の良い言葉ァ並べてるだけだろぉが!!」

「お前は」

「自分が正しいと信じたいだけだッ」

「自分が善人だと思い込みたいだけだろォが!!」

「良い子ちゃん振ろォとしてんのが」

「丸わかりなんだよッ!」


「ッ………」

「……そうだよ」

「我が友」

「キミの言う通りだ」

「何も間違えていない」

「……だって」

「この」

「ボクの善性は……っ」


「そうだろうが」

「お前の言葉は薄っぺらいんだよ!」

「俺に講釈垂れてんじゃねぇ!!」


「けれど、聞いてくれ」

「我が、友ッ」


「ウルッせェんだよッ!!」

「お前にッ」

「俺を理解する資格なんざ無ぇ!!」


「ッ!」


「分かったら退けやッ」

「もう」

「お前に構う暇もねぇんだよ」

「失せろボケがッ」


「……我が友」

「………駄目だよ」

「その道は………その歩みは……」


【次回】

https://kakuyomu.jp/works/1177354055478314367/episodes/16816452218252828206

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