逆上するよ、何処までも

再び暗転。

呪いが肉体を侵蝕。

ここで漸く声の正体が出て来る。

最初は人影だったが次第に姿を現して五十市依光の姿が出て来る。

其処で八峡義弥に死ねとか居なくなればいいなどの言葉を浴びせ、最後に無価値と言われて八峡義弥は目が覚める。目が覚めた先は医療施設。

肉体の疲労感を味わいながら八峡義弥は怒りながらその場から出て行く。

そして贄波阿羅教師の元へ行き、一度殺された末に何故たすけてくれたなかったのかを問う。


「お前を救う意味は無い」


「ならなんで」

「俺をこの道に進ませたんだよ!」

「強くして」

「あの男の代わりにする為だろうがッ!」

「なら俺が死んだら」

「意味ねぇだろうがッ!!」


「お前が五十市依光の代わりになれる筈がないだろう」

「お前を救った気など無いし」

「お前が勝手に救われた気になっただけだ」

「そもそもお前などどうでもいい」

「お前をこの道に進ませたつもりもない」

「強いて言うのならば」

「お前の生意気な姿が」

「ぐちゃぐちゃになる様を見るのが面白かっただけだ」

「ただ、それだけだ」


「なんだよ、それッ」

「じゃあ、俺は何の為にッ……」


「何の為でも無い」

「お前に価値はない」

「ただそれだけだ」


「……ん、だと」

「誰が、だ、誰がッ」

「俺が、この、んの俺が」

「無価値、だとッ」


「本当の事だ」

「本心ですらある」

「それを告げて何が悪い?」


「取り消せッ」

「その、言葉ッ」

「取り消せェ!」


夢に見た言葉を思い出して八峡義弥は贄波阿羅に向かう。

そして贄波阿羅は八峡義弥を一度殺害、すぐに復活し襲い掛かる為に再度殺害。


「趣味じゃないんだ」

「仕事や暇潰し以外の殺人は」

「ただの作業」

「苦痛でしかない」


再度立ち上がり気概を見せる八峡義弥。

贄波阿羅は深く溜息を吐くと八峡義弥を半殺しにする。

死以外は傷が治らないので八峡義弥はそのまま病院送りになる。

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