聖騎士デュソーの旅(4)
ガルロー山頂には小さく盛り上がった箇所がある。そこの横穴がダンジョンの入り口だった。
デュソー自身は入ったことがなかったが、このダンジョン内は魔王の支配圏内だそうだ。強力なモンスターたちの生息地として名が知れており、よほどの理由がなければ誰も近寄ろうとはしない。時折、ダンジョン内での縄張り争いに敗れて
魔王の配下たちと渡り合っていた全盛期のデュソーならば、単身でも容易く攻略できただろう。しかし、勇者シャインに付き従ったのは二十年近くも前の話だ。デュソーほどの年齢に達した聖騎士は皆、直接戦地に
本来ならば自分も、というのは考えるだけ不毛なので、デュソーは意識をダンジョンに集中させることにした。
このダンジョンは、山頂から
それでも山頂付近は通常、モンスターが
中心には吹き抜けのような大きな穴が口を開けている。デュソーといえど、落下すればひとたまりもないだろう。
縦穴を中心とした
「ギャアアァア!!!」
唐突に
デュソーはあらかじめ
デュソーは振り下ろされた
「キォアアアア!!!」
耳をつんざくような
対するデュソーは間一髪のところで闘気を
必殺技が決まらなかったことに動揺するフライングキラーの隙を逃さず、前に乗り出しながら
途端に生命力を失ったフライングキラーの身体は、中央に空いた穴の底へと飲み込まれていった。その場で倒すことができればそれなりに高価な石を落としてくれる上級モンスターだったが、足場の悪い戦場でそのような高等芸をこなす余裕が今のデュソーにはなかった。
ランスの村でも日々の
そして、彼が何よりショックを受けたのは戦闘後の疲労の大きさである。
やまびこ族の回復薬といえば、戦闘によって受けた傷やダメージだけでなく、体力の低下や消費された魔素の回復もしてくれる万能薬だったはずだ。できれば使わずに取っておきたいが、そうも言っていられないかもしれない。
渡してくれたパンネルは"
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