第1話 魔王センサー
シャイロンの中央にある小高い丘。その頂上に
あえて城と呼ばないのは、聖王の居室などの一部を除き、
この方針は、
聖魔法の
大陸でもトップクラスの実力を持つ神官たちを
聖王は神に次ぐ最高の
また、神官たちには独裁化を防ぐための厳しい戒律が課されていた。
勇者の印を額に持つ15歳の青年カノンは、そうした予備知識を教育係だった聖騎士デュソーから聞かされて、内心で
カノンは確かに人間として生まれているし、勇者の資格者でもある。しかし、魔王の記憶と意思を持つために結界に弾かれ、そもそも
カノンは覚悟を決め、目の前に迫った大聖殿の正門をくぐる。
「(いざ・・・)」
心配は
「勇者の証を持つ者よ、ようこそいらっしゃいました」
胸に両手を交差させて
魔王の意思が
それもそのはず、マインは
「お初にお目にかかります。カノンと申します」
基本は
マインに中身を悟られては全てが台無しになると考えたカノンは、努めて平静を装う。基本的な
「それでは、聖王にご到着の旨を報告して参ります。しばしお待ちくださいませ」
一通りの
「やはりうまいな、アストラールの聖水は」
一口飲んだデュソーは
結界に拒まれなかったということは聖水もクリアできるだろうが、念のため、カノンは少量を口に含んだ。やはり異変はなく、それどころかたった一杯で力が
入り口の結界、そして聖水。魔王の記憶と意思はあっても、聖魔法や聖水に拒否反応が出るわけではないことが明確になった。
「(あとは聖王と聖剣か・・・)」
広い応接間にノック音が
控室のドアが開き、先ほどの若い神官が入ってきた。
「お待たせいたしました。準備が整いましたので、ご案内申し上げます」
カノンとデュソーは
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