カノン成長編7 返り討ちの企み
翌朝、ラミア伯はアストラールへ向かう
ガルガリアでは王家に次ぐ身分でありながら、どこまでも飾らない人物だ。カノンは素直に
次にまみえるのは魔王としてだろうか。その時に俺はこの男をどう扱うのだろう。
魔王の記憶も断片的であり、未熟な今のカノンには想像もつかないことだった。
「なぁ、ラミア伯が付けた
「彼は日頃ほとんど人前に姿を現さないのだ。今回も全く出てこないかもしれん。しかし、ラミア伯が最も
「うーん・・・そういう
真面目に話していたところに、ルーアが可愛らしい
「(やっぱこの二人、何かある気がするんだよなぁ)」
再び余計な
「(
こうした悪趣味なところは魔王の記憶を取り戻す前から変わらない。
カノンがかつて返り討ちにした村の子どもたちも、彼らが一方的に悪いわけではなかった。むしろ、原因はカノンの方にある。
それはカノンが
村の子どもたちを従えてリーダーを気取る年上の少年がいた。彼はカノンにも子分になるよう迫ったが、幼くも
早速リーダー格の少年が木刀を使って子分たちと遊んでいたところ、雑貨店の親父に見つかった。他でもないカノンが、木刀を持って遊んでいる子どもがいると店主に
リーダー格の少年は親から
カノンを
「カノン、またよからぬことを考えてはいまいな」
「いーや、ぜんぜん?」
「間違っても
「あ、はい」
ちぇっ、お見通しかよ。
殴られるのも嫌なので
「カノンちゃん、チェリーパイ食べる? 昨日、お
「食ってやる。早くよこせ」
カノンはルーアから受け取るなりすごい勢いでチェリーパイを食べ始めた。
「・・・美味い」
決して表情は変えないし、ぶっきらぼうでもあるけれど、それでも毎回カノンがちゃんと伝えてくれるこの三文字がルーアは大好きだった。
「(もうこの言葉も聞けなくなるのかしら)」
好物にかぶりつくカノンを
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