第10話 異端の魔王(魔王軍2)
グレンガは配下のレッサーデーモンたちに捜索の中止を伝えた。
代わりに、魔女ラミスと牛魔バランの動向を探るよう命令する。次に彼女らが行動を起こすのは、魔王復活を確信したときだからだ。
「くれぐれも気取られるなよ」
レッサーデーモンたちにそう念を押すと、グレンガは
巨大な
しかし、こうして渦の前にいるだけでも闇の魔力が体内に
現状、魔王の力を
力の差があるうちに彼女らを打ち滅ぼしてしまおうかとも考えたが、それでは
その上、現在は魔王ゲラの率いていた旧魔王軍が各地に分散しており、
もともとゲラとの結びつきが弱く、前魔王
旧魔王軍内部で内乱などが起きようものなら、その混乱に乗じて彼らが勢力拡大を
結局、グレンガは
渦に変化が見られたのは、発見から二年が経過した頃だった。
「おお、ついに・・・!」
喜びを
渦の中心から黒緑色をした
数刻の間、その不規則な動きをグレンガはうっとりとしながら眺め続けた。
突然、雷のような
体の大きさは一般的な人間の二倍ほどで、デーモンロードのグレンガとほとんど変わらない。しかし、そこから発されるのは心地よいほどに圧倒的な
「なんと、魔王様。ご復活・・・いえ、ご誕生おめでとうございます」
デーモンには
直後。出現したばかりの魔王から
「なんっ・・・魔王様、これは一体ッ・・・?!」
目を大きく見開き、驚きと
ほどなくして、どこからともなく新たなグレンガが出現する。
「魔王様、まさか私めの再生能力を試されたのですか?」
「・・・・」
魔王からの返事はない。
「デーモンロードよ。あいすまなかった」
「魔王様、そんな勿体ないお言葉。魔王様の
返答のさなか、ハッとして若き魔王を見た。
「(・・・何かがおかしい。魔王様が配下に
グレンガは思考を
この事実は、グレンガに新たな野心を抱かせたのだった。
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