さんぽみち

回したんだよなあ

何回も回したんだよな

ろくろのように

回したんだよな

いち、に、さん

足踏みして回したんだよなあ


運命の輪とか

知恵の輪とか

ずっといじくってきたんだけど

上手く回らなくて

いつも、放り出して

近所を走り抜け

知っている場所しか

走られなくて

永遠と回り続け

いつまでも回っていたら

でられなっていた


情けないの一言

唾を飲んだら境界線


一歩の間違い

右足の火傷

世間知らずの極み

なんで知ろうとしないんだろ

外に行くなら厚手の靴を履いていれば


こんなに傷つかなかった

いつだって空回り


今も、半身が痛い

無知ゆえの火傷痕


世間様に必要な輪とか

上手く立ち回るとか

にこやかに流し受けて

嘘のように笑うんだって

知らないですむんだって

思うしかなかった

恥ゆえの強がりの一つ


ああ、もう、だめだ

生きてくのが辛くなる

反省より後悔が埋め尽くされる

馬鹿な自分を殺してくれ

この運命の輪から外れさせてくれ


などと言いながら、何もできない

情けないの一言

こんな話《わ》の中で

誰が同情してくれるのさ

……語り部が必要かい

夢中にさせる言葉

お話にできる才能

なにもない自分を見て

鏡には化け物が一人

ずっと自分は死んでいた

近所を走り回るだけの馬鹿だった

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