第182話 砦では‥
戦の激しい闘いの音は止むことはなく
「金と銀のマルタ 黄金のマルタよ 我らは簡単には攻め落としたりはしない
例え、果実のように柔らかく、玉ねぎのような柔らかな城塞でもだ」
誰かがマルタ騎士団の城塞の外から叫んだ。
「我らこそオスマンのガレー船を撃破してきた強者だ 貴様らなどに屈するか
オスマンの勇者と名乗る者達は皆殺しだ」誰かが叫ぶ
マルタ島の各地でも小競り合いは続き
三つの砦 敵の攻撃はアンジェロ砦と最前線のエルモ砦に集中していた。
総長がいるアンジェロ砦でも
梯子からよじ登ろうとする敵に
油をぶちまけようと中の兵士たち、騎士達は構えながら
時に矢に火縄銃の応戦が続きながらも 今だ戦いは続いている。
「グランドマスター、敵が地下を掘って地下道を作ってますね」
食事を配る下働きの少年シオンがグランドマスター ヴァレッタ総長に告げた
「何!」
「油でも注ぎますか?梯子の連中と同様に‥それとも地下通路に海水で沈めましょうか?」にこやかに微笑してシオンが言う
とても穏やかに微笑してシオンは言うのだ
刹那の異様な‥しかし
「ほら、こちらから地下を掘る音がしますから」シオン
シオンの言葉に騎士達はハッとして
そうして音を確認するなり、今度は騎士達が動きだす
「夜に紛れて、敵のガレー船を数隻砕いて沈めてもいいけど
数が今回も多いから うふふ」舌なめずりをするシオン
「監禁した人質の姫達も動きだすし、最前線のセント・エルモ砦も‥」
「やがては砕け墜ちる 最前線のエルモ砦」
魔物のシオンは微笑を浮かべたまま小さな声で呟く
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