第138話 砦での戦闘の合間に

砦の外でも 内部でも激しい戦闘が続いている

マスケット銃‥火縄銃の打ち合いに 砲弾の嵐


「今は春の時期だけど 夏場まで持ち越しとなると 

どちらも更に激しい消耗戦か どれぐらいが死ぬかな‥くすくす」

魔物のシオンが呟く


「ヴァレッタ総長、グランドマスター様 それに皆様 

軽いお食事をお持ちしました チーズにパンとワインにそれから‥」

「ああ、シオンか」「ありがとう シオン」

絶え間ない攻撃だが、隙間の時間 わずかな休息


「姫君たちを交渉材料に?」「いずれ返す予定だったが 年配の夫人の体調が・・」



シュルーク姫達は・・

「オランジュ騎士さま 先日は怪我をされたとか」

「シュルーク姫、大した事はありません」「私は貴方の事が心配なのです」


「姫‥」



そうして砦の外

「姫さま シュルーク姫」絞り出すような乾いた声 呟く声

イエニッチエリ兵士の突撃部隊の中にいたのは 囚われのシュルーク姫を想う

ナウファルだった。







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