第181話 砲弾の嵐はやまずに

それは戦争 砲弾の嵐は続く

砦の中にいる魔物のシオンは静かに微笑していた。

シオン、彼の青い瞳は嵐の前の海を思わせる


「ヴァレッタ総長 グランドマスターあの丘は崩れて、平地になるような状況です」

「海からの軍艦のガレー船の砲弾が止みません」


砦に侵入しようとする敵の兵士たち 

落ちて来た鋭い槍上の格子に貫かれて悲鳴が響く

「ぎゃああ」「うわあああ」


あるいは外壁にかけた敵の梯子(はしご)に乗った敵兵士に小さな岩や油を注ぐ

そして、また悲鳴が上がる


砦の中で病まぬ攻撃に指示を出しながら 切羽詰まった味方の報告を聞いている

ヴァレッタ総長

「また、敵の侵入 どうにか罠で防ぎました」

「わかった 次の手だが‥」



ひと時、ため息をついて呟くように言う

「‥捕虜の姫達の事だが」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る