第158話 スペイン王 フェリペ二世

マドリードにある宮廷 窓辺から庭園を眺めるスペインのまだ若い王

彼、冷たい表情をしたまま、束の間にチラリと眺めるフェリペ二世


「オスマンどもめ」海賊被害の書類を見ながら表情をしかめるフェリペ二世

「英国イングランドの新教徒どもか あのエリザベス 

女王の名に相応しくない海賊の頭が! 私の婚姻を断った女」


領地に貿易を含む制海権

多大なる利権の争いもあるが、熱狂的ともいえるカトリック教徒のフェリペ二世に

とっては彼等は敵‥。

教会の鐘の音が厳かに鳴り響く。

「間もなく祈りの時間だ それに‥妻や子供たちとの食事か」


「前の妻たち 私より年上だったが亡くなったイングランド女王メアリー 

エリザベスの異母姉

仏蘭西王アンリ二世の長女だったエリザベートに‥」感慨深く彼女達の事を思い返す


「義母のカトリーヌ・ド・メデイチ様からお手紙が届いております」

彼女の名前を聞き彼女の夫で妻の一人の父親アンリ二世の馬上槍試合の悲劇を

思い出す あの悲劇

「ふむ、わかった 他には?」

表情も声もあまり変えもせずにフェリペ二世が答えた。


「各国のユグノー(新教徒)の動きはどうだ?

それにそろそろマルタ騎士団からの報告も来るはずだが」





カール五世(カルロス1世)は

長年 遠征に明け暮れ、生前退位をして僧院に引き込もった後で亡くなった。


神聖ローマ皇帝位は弟でオーストリアのフェルデナンド1世に


スペイン王位に

広大な各国の領地 こちらは息子であるフェリペ二世へと引き継がれた。

彼は父親と違い、あまり遠征に出ることはなく 政務の書類に忙殺される事も多い

生涯に四人の妻を持ちます

英国イングランドのメアリー女王

(ブラッテイ・メアリー 母親はカール5世の兄姉 異母妹にエリザベス1世)














※オーストリア系ハプスブルグである弟のフェルデナンド1世 

スペインには皇帝位はオーストリア系ハプスブルグ家に引き継がれてゆきます

子孫にマリア・テレジア、仏蘭西の王妃マリーアントワネット


スペイン系ハプスブルグ家は近親婚の弊害の為に消え去る事になります



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