第156話 マルタ島 囚われのシュルーク姫たち

マルタ島 

シュルーク姫たちは

潮騒の海風が感じられる整った建物の中で

軟禁状態にあるとはいえ それなりの待遇うと快適な場所で過ごしていた。

窓辺からは木々にクレイ名花々も見受けられる。


「思っていた以上に丁寧な扱いで少し安心したわね マリア」「シュルーク姫さま」


「面会した時の祖母さま」「私の大事な祖母様の身体の方も良いみたいで」

シュルーク姫は軽くため息をつく


「ここの施政院、病院は

とてもキリスト教徒たちの間では評判もいいと聞いているから」

「私達は大事な人質ですからシュルーク姫」「皇帝陛下と繋がりのある祖母に私‥」


「まさかここでもチャイが飲めるとは思わなかったわ ふふ」


チャイに茶菓子を召使の者たちに手渡し、届けにきたシオンが微笑する。

「では姫様方 僕はこれで‥」シオン


「あ、あの?」マリア「はい?」シオン


「貴方、語学に堪能なのね」

「ええ、僕は幼い頃からあちらこちらを旅してきたものですから」


「‥どこかで出会わなかった?」「え?」


「昔、貴方によく似た人、吟遊詩人を見た記憶が?」

「気のせいでしょう 奥様 マリア様 

ご主人にもお子様たちにも無事に会えますよふふっ」シオン


「‥‥」「何かご希望があれば申し付けてください 可能な事であれば‥では」


扉が閉まる。


「どうして‥」「え、何 マリア」

「私が既婚者だと分かったのかしら それに子供たちって‥?」



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