第155話 イエニッチエリのナウファルとイヴァン
北アフリカのチュニス 港街
海風の潮の香に混ざった南国の甘い花の香が漂い、波音に船の軋む音が響く。
「こんな形で君と再会できるとは」「ナウファル様」
「イヴァン殿」「では兵団に加わるというのですか?」
イヴァンはナウファルに尋ねた。
「そうだ、私は何としてもシュルーク姫様達をお助けせねば」ナウファル
「しかし貴方はエリートとしてイエニッチエリ(徴兵された兵士)の中で選ばれ
宮殿で皇帝に仕える者」イヴァンは固い表情で彼に問うたのだった。
たとえ、彼の答えはわかっていても‥
「皇帝から姫様をお守りするようにも命じられてますから私の役目でもあり
救出は特別任務としてこちらからも申し出た」
「マルタ騎士団は長い歴史を持つ十字軍騎士の生き残り、彼等は手強いですよ」
「イヴァン」
「確かにイヴァン」ナウファルは言葉を続けた。
「昔のロドス島包囲戦でも こちらの圧倒的な数に最新の兵器を持ってしても
持ちこたえ、生き延びた
先の海戦の幾つかでもこちらは勝ちはしたが手強い敵だ」
「もし、何かの運命が違っていたなら
私は本来、東欧のキリスト教徒の子供として生まれてた だが、今はこうして
異教徒して彼等と戦う運命にはある」
「戦争の為の準備は進んでいる
他の大陸に北アフリカの方面からも多数の徴兵が進んでいるそうだ」
軽くイヴァンの肩を叩くナウファル
「君は君のやり方でシュルーク姫様達を助けてやってくれ」
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