第140話 糾弾されるもの 魔物

「やめるんだ お前たち」

ヴァレッタ隊長が制止しょうとするが

彼等の方が数が多く、逆にヴァレッタ隊長をはじめ部下たちも

取り押さえられてしまった。


「これは魔物だよヴァレッタ君 見たまえ あの腕」

彼が指さす先には骨の腕


「切り落としたら、腕があっという間に骨になってしまった」


「あれは人の血を吸い、命を奪う悪魔」


「…‥‥」「……」彼の言葉に皆が黙り込む。


魔物で吟遊詩人の姿をしたシオンは痛みがあるのだろうか

切り落とされた腕の付け根を片方の手で押さえながら、黙り込み蹲っている。


「見た目は綺麗で、小鳥のように綺麗な声で歌を歌うが」

「何十年、何百年前から生きて この偉大な騎士団に憑いているじゃないか!」


「我らは十字軍の一つ、聖ヨハネの手を聖遺物として頂く騎士団だ

唯一なる神

それに教皇様に欧州の多くの地を統べるスペイン王で皇帝のカール様に

仕えるのが我ら」

「それがなぜ、あのような魔物がいるのというのだ 何故、あれを駆逐せずに

生かしているというのだ」


「多くの魔女を焼き殺した、ユグノー達も駆逐しているというのに!」

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