第103話 黄金のペンダントとネーデルランド提督の貴婦人

「では、この黄金のペンダントも皇帝陛下に?」「ええ、お願いするわ」

ネーデルランド女総督 マリア・フォン・エスターライヒ

スペイン王女でありハンガリー王妃だった気宇人


「資金が必要なの 難民に市民の食料が‥王族が宝石を戦費や支援の為に

売却や質にするのは良くある事ですわ リラダン総長」彼女の微笑

「兄のスペイン王家に‥」


その貴婦人、彼女は朗にだが、少し切なそうに微笑する。

彼女が手渡した黄金のペンダントは夫からの贈り物


元ハンガリー王妃で神聖ローマ皇帝カール5世(カルロス)の妹

まだ若く、オスマンとのモハーチの戦いで夫のハンガリー王を亡くし

大きな騒動の中、王国から追われるように‥


やがて、叔母の跡継ぎとして

廻りから勧めでネーデルランドの女総督に‥

「私達の面倒を見てくれた父の兄妹だった叔母のようには提督の職務務まるか‥」

「姫さまなら大丈夫です」


そうして、しばしの会話の後で‥

「まだオスマンとの戦いは増すばかりだわ リラダン総長」

「姫さま」リラダン総長


「神のご加護があります事を」リラダン総長に向かって彼女は祈るように言う

聖ヨハネ‥マルタ騎士団は今、これからもオスマン帝国との戦いの中にある。


首をすくめて吟遊詩人のシオンが見ていた。




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