第94話 皇子ムスタファのため息

「あの少女、マリアか」皇子ムスタファが笑う


「ムスタファ殿下がご執心とは」「連れの男ですが 消しますか?」

部下のイエニッチエリ達がそっと話していた。


「いいや それをすれば あのマリアは私に対して

恨みを抱くか 恐れるだろう」静かな目をして微笑する皇子ムスタファ


「エデルネ、あのハドリアヌスの街にも間もなく向かわないといけないのだが」

ため息一つ


「とにかくあの二人を引き留め、詳しい情報を知りたい」

皇子ムスタファゆっくりと言葉を紡ぐ


戦争に後宮を始め政敵たちとの争い、恋人を得るより

兵団の軍人の人心を捕らえる事 軍功をあげて、偉大なるスレイマン大帝



ソロモン王の名の意味を持つ自分の偉大な父親に認められることだけだったに

まるで暗い心の穴に差し込んだ光と可憐な花が咲いたようだった。


千年以上の時と共にあった都 それにボスポラス海峡にある街には人々の喧騒に

独特なスパイスの香り それに間もなく コーランの祈りの時間が・・

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