第92話 青の海 甲板の会話とボスポラス海峡の二人

シオンから手紙を受け取り、封を外して読み始めるリラダン総長

「ふむ‥」軽くため息をつくリラダン総長

しばしの間、船の甲板での事 海風が吹いていた。


「了解だ 王の戦争の手伝いだな」リラダン総長

「はい、では王、皇帝陛下様にお伝えしますね」

にこやかに微笑む黒髪の綺麗な少年 吟遊詩人の姿の魔物シオン


いつの間にやら、船にあったバゲットのパンとワインに

小さな袋とかが彼シオンの手にある

「では失礼しますね」シオン「待てシオン」総長の一言


「あ、子袋 金貨と銀貨入りですね 頂いていきます うふ」シオン

「シオン!その程度の食料はともかく、金貨などの金は待て!」リラダン総長

当然の如く、早々に姿を消すシオン


しばらく後の事

「・・総長」「なんだ」

「シオンは 子袋以外にも かなりの金額を持って行ってます」騎士の一人

口元を歪めた後で、消えたシオンの悪口を怒り怒鳴るリラダン総長の姿があった。


海の音、波の音がする 騒々しい船の上とは関係なく 

青い綺麗な海は日の光を受けて輝いていたのだ。


何処までも続く青い海‥それから

海の波音 ボスポラス海峡


「マルコは何処にいるのかしら」

男装した綺麗な少女がそっと海峡の近くの市場で呟く

行方不明の回教徒となったはずの幼馴染を捜すマリア


「大丈夫ですか」連れの一人の男、変装したリヒター修道僧


「リヒター修道僧さま 大丈夫です それより修道院のお仕事が?

私に突き合わせて申し訳ないですわ」


「はい、ですが‥まだ時間はありますし

オスマン帝国での仕事もありますからご心配なく」


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