第91話 すれ違いと‥

大きな船の上での甲板での戦い

怒号に火縄銃に剣のかち合う音が響く

「ぎゃああ」「うわああ」


「総長、海賊達は捕らえました」

「よくやった 海賊船と奴らは他の者達が先導してくれ」「はい」

血に染まった剣をよく振り鞘に納めるリラダン総長


「もう大丈夫だ」海賊に襲われていた船の船員に声をかけたのだ


「ロドスいえマルタ騎士団の騎士さま 有難うございます」


「怪我人の治療をしなくてはな それから近くの港へ」

「軽傷の者達ばかりで 大丈夫です 

王族の方への急ぎの荷物と要件もありますから

心より感謝します」


そうして 急ぎの要件に追われた船はリラダン総長たちに

深々と感謝をして立ち去ってゆく


「オスマン帝国に滅ぼされたハンガリー

ハンガリー王妃はカルロス1世様の御兄妹の姫君の船だったか」


海賊から

偶然、助けた王妃所縁の船を見送り、リラダン総長たちはそんな会話をしていた。


「次の再婚先の王にも先立たれたとかでご苦労されていたようだ」


「カルロス1世陛下はオスマン帝国の戦争に新教徒や欧州との内紛に

御多忙のようだ 生憎とすれ違いになったが」リラダン総長

「そうですね残念です」部下の一人


「また必ずお逢い出来ますよ ふふ」船の奥からの声がした


「シオン?」「はい総長さま 陛下からのお手紙ですよ 届けに参りました」




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