第83話 着衣無用の王弟殿下
「殿下!! キャンベル殿下!!」
異能 幻影を解除したのだろう、殿下の目が開かれた
「戻ったよ」
爽やかな、殿下の声が我らに安堵を与える。
取り敢えず、
「そろそろ、パンツだけでも…………」
我ら、殿下の近衛として異能発動中の殿下警護の為にお傍につめていた。
殿下は、異能発動後 少しすると服を脱ぎ捨てた
パンツを上げる殿下に問う
「殿下、一体何があったのですか、いきなり服を脱ぎ棄てられていましたが?」
股間の位置調整をしながら、殿下は答えてくれた
「いや~~、オククの所に行ったら、真っ暗だったんだよ」
殿下が親友オクク殿の所に向かわれたのは知っている…………真っ暗??
「だから、服を脱いだ」
だから、服を脱いだ…………理解できません。
「それは、オクク殿の要望で?」
私から見て、オクク殿は清純な美少年に見えるが…………一応 確認を。
「さっき言っただろ、真っ暗だったと だから見られてないよ お話してただけだよ」
いや、お話してるだけで なぜ 裸に…………
そして、真っ暗で見えないのに なぜ 裸に…………
「そ、そうで、ございますか。 で、あの奇妙な踊りは?」
「ああ、やる気を感じて貰うために 踊った」
殿下のヤル気って、何ですか やる気 ヤル気 ひらがなですか? カタカナですか?
冷静に さらに問いただす
「あの、腰を前後に振り 股間の物を自由自在に大きく小さくする踊りがですか?」
「もちろん」
…………
理解不能だ
「殿下、オクク殿とのお付き合いは、私は反対させていただきます。 殿下に義手、義足を提供いただき感謝はしておりますが、殿下は変わられた あの高潔な殿下はどこに行ったのですか」
「私の行動に不満があるのか?」
「はい、殿下は変わられました、オクク殿と交流を持たれるようになってから、あれ程嫌っていた国王陛下と仲良くなられ、…………そして、魔人と」
「ふん、兄上と和解したのが不満か、私とて、学園卒業後の事もそろそろ考え備えていかなくてはならない事くらい、わかっているだろう?」
「もちろん、我々は殿下が国王陛下と和解されるのに異など唱えなどいたしません しかし 魔人共とまで和解されたのは…………」
殿下は、魔人と 国王 7公爵家が密約をかわし、魔人を貴族として王都に住まわせている事に激怒された、そして王都で民を食らう魔人を倒しに向かわれ手足を失われた。
高潔なる殿下、勿論 我々殿下にしたがう者達は殿下と共に魔人との戦いに向かった。
しかし、数多くの物が手足を失った。
密約の内容には、王族 貴族の命の奪わないも一条があったから、手足ですんだのだろう。
「魔人と戦い、王国で五指に入るお前以外は、全員 私も含めて 手足を食料にされたがな」
さらに殿下は苦りきった顔で私に問いかける
「で、魔人と戦った勝てる算段はついたのか?」
私も、顔を歪めて答えるしかなかった
「いえ、…………あまりにも あまりにも戦闘力が違いすぎます…………」
たとえ、王国の最強の英雄達を全て集めても、魔人一人も倒す事は不可能だろうと先の戦いで骨身にしみた。
ちなみに、私も殿下の執事してますが、王国五指で英雄クラスです。
「では、交渉で戦うしかあるまい…………」
殿下、殿下 すみません 我々の力不足の為に…………
私は、己の力不足に頭を垂れた
殿下、変わっていなかった
その、高潔なる思いは変わっていない。
「殿下、それは さておき そろそろ すぐ裸になって 踊るのは辞めませんか。 護衛の我々も見ていて気持ち悪いです」
「サービス サービス」
殿下は変わらない、 いや そろそろ変わった欲しい。
何年か前に王宮でそれやって、ショタの貴族夫人達が暴れて王国が崩壊しかけましたよね。
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