第66話 魔人
魔人それは、大魔樹海最奥の大聖樹と対をなす大魔樹の麓で暮らすと言われる、林人と同じような知能を持った人型の魔物だ。
王国に伝わる伝説には、こうある…………魔人、この地に出来し林人の国を3度滅ぼす。王国の初代国王、大聖樹の祝福を得て魔人を打ち払い、この地に4度目の林人の国を建国せん。
これが、200年前の建国された、この王国の伝説だが…………
建国の伝説から200年、魔人はその存在が確認出来ず、滅んだか、唯の伝説、御伽噺の住人として王国の民から思われていた。
「魔人ですか? その魔人に腕を切り取られたと?」
俺にとっては、御伽噺を聞かされた感じで現実感は無い。
「そうだ、王都に魔人が住み着いているのが分かったたので、討伐しに行ったんだけど返り討ちにあったんだよ」
あら、キャンベル殿下の歪んだ顔が、元のニコニコ顔に戻り優しいフレンドリーな話し方に戻った。
流石、王族切り替えが早すぎ!!
左腕切り取られて、命狙われているようなのに余裕ある…………いや、余裕有る様に芝居しているだけか。
護衛の人の緊張感、キャンベル殿下の先程の表情が一変した事からも、かなり厳しい状況なのかもしれない。
「え~~と、魔人討伐が失敗したので、命を狙われているのですか?」
魔人は魔物と同じで人を殺し、食べると聞いているが討伐を失敗したからと王族のキャンベル殿下を死刑にするとか、辻褄が合わない気がする。
魔物討伐失敗で死刑など聞いた事が無い。
魔物溢れる王国では、毎日のように魔物討伐がされているし、勿論想定以上に強い魔物で在った為に討伐を失敗する事もよくある事だ。
「いや、魔人を討伐しようとしたから、死刑 いや暗殺されそうなんだよ」
「はい?、討伐しようとしたから?」
「ああ、そうなんだ。どうやら魔人と王国の上層部が繋がっていて、魔人が王都に住む事を許しているようなんだ」
「魔人は魔物と同じで人を食べるんですよね、そんなのを王都に住むのを許してるんですか?」
「勿論、魔人が王都に住んでいる事は、王国上層部は極秘にしていて、一部の者しか知らないようなのだが」
「その上層部とか、一部の人って…………」
「そうだ、国王と7公爵家だ」
いやいや、それ上層部どころか王国の支配者の皆さんですよね。
そんな方々の極秘事項の魔人を討伐しようとすれば暗殺もされそうになるでしょう。
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