第49話 旅立ち

 2体のゴーレムが崩れさり、大地に還っていった。


魔物が動きを止めると師匠ゴーレムは、すぐに地下道を出て行った。


俺は、ノロノロと後を追って地下道から、這い出した。


土に還ったゴーレムは土の山を残していた、そして 巨大な魔物の死体 



 静寂



 村には、静寂と血の匂いだけが残されていた。




「生存者、いえ 誰も、この村には残っていなかったわ」


師匠ゴーレムは、そう 俺に言葉かけて


「さあ」


後ろを向き、膝をついて背を見せ。


「乗りなさい」


俺は、その背に体を預けた


師匠ゴーレムは、俺をおぶさり 立ち上がり 走り出した。


「魔人…………契約…………貴族…………王族……学生…………深く、地の底…………安全」


師匠ゴーレムの呟きを聞きながら、その背の中で俺は村を後にした。




 その後、毎日が変化の連続だった。




 師匠ゴーレムの背に揺られている間に寝てしまい、目覚めると村とは比べられないくらい、大きな村に来ていた。


そして、3重魔法陣のゴーレム達がいつのまにか、8体後ろをついて来ていた。


魔樹海に同行したゴーレム達が、撤退して俺を追いかけてきたようだ。


俺の中のゴーレムとの繋がりがここにいるゴーレム以外を感じる事が出来ない、8体以外は全て壊れたようだ。


大きな村は、周辺の村を束ねる街だと師匠ゴーレムは教えてくれた。


そしていくつもの街を束ねるのが領都や州都、領都や州都を束ねるのが王都 この国の首都にして最大の都市だと。


街に着くと師匠ゴーレムは、街の入り口にいた戦士に話しかけた。


「この街の東にある、魔樹海の近くの村から避難してきた街に入れていただきたい」


戦士は師匠ゴーレムを上から下に見ると、


槍の先を師匠ゴーレムに突き付けた。


「お前、人ではないだろう?」


「ああ、私はマスターによって作られた、ゴーレムだ」


「ゴーレムだと?」


戦士は、周りを見る俺とそして後ろにいる8体のゴーレムを


更に、疑惑を持った目で師匠ゴーレムに視線を戻すと


「ゴーレムって言うのは、その後ろにいる土と石でできた人形の事だ、お前は見た目は人にしか見えないが?」


師匠ゴーレムは、戦士の突き付けた槍の先を手で掴んだ


そして、手を広げ戦士に見せた


槍先の刃で切れた手の平から血は流れず、切れた傷には土が見えていた。 




「ああ、私はマスターの異能 ゴーレム クリエイト 5重魔法陣にて作られたゴーレムだ」



「な、5重魔法陣だと!!」



  5重魔法陣 それは、英雄が使う多重魔法陣













 

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