太陽の下で


無慈悲な太陽が沈みかけていた。


この橋の上にも終わりが兆していた。


明日が来ることはもうないだろう。



僕の加害者は明日も生きるべき人。


僕はもう復讐の機会がないことを知って


ひとり薄暗い橋の上にたたずんでいた。



僕が眺めるのはこの橋の下を流れる


ひたすら黒い水の流れだけだった。


ここには太陽の慈悲が降ることもない。




永遠に暗いままどこへ行くとも知れない流れの上で


いつか裁きのときが来ることを祈りながら僕は終わる。




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連作詩集「橋」 @tsukilight7777

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