落下のイメージ

僕は橋の上で幸福だった。

落下するイメージに圧倒されて、ふと彼女のことを思い出した。


その場で橋が崩壊する予感に襲われた。

彼女を苦しめたものは何だったかを考えながら、

僕もまた破滅の涙を流した。


落下していく彼女のイメージが、

僕の幸福を打ち破ろうとしていた。


それでも、僕は彼女との思い出によって破滅の涙を力に変えて、橋の向こう側へ進んでいく。


僕の幸福はまだ終わっていないのかもしれなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る