部長がゴスに着替えたら。

部長がゴスに着替えたら。

それは、先日のアンケートから始まる。

「部長に着せるなら　どの衣装がいい？」

そんな文章とともに、某英霊スマホゲームの格好から萌え袖猫耳パーカーwith制服などなどの画像が並ぶ。

「ナニシテマスノーーー！？」

「えっこれいいの？」

「まだ怒られたことはないから、ダイジョブダイジョブ」

「あなた、前にしたとき見てましたよね！？」

「いやーしりませんなー（棒読み）」

「まだまだのびしろはあるから！　やっぱり制服は鉄板だよね」

内輪でそんなやりとりをしてる間にあれよあれよと、投票アンド拡散が重なり、計283票。

最初は最下位だったゴスロリ衣装がまきかえし、１位の女装姿を射止める結果に。

今日は言い出しっぺとほか有志による出資により、そのお披露目会となったのだった！

「着替えたら全力で『銀ちゃんカワイイ〜〜〜〜！！』っていうからね♡」

「言わんでいいわ。　ほんとに覚えてろよお前」

「えっ・・・俺も女装したほうがいい？？　けど肩幅がなぁ」

ノリノリの言い出しっぺことリンドウさんをしばきながら、恥ずかしそうな部長。

本人らはSNSで相互フォロワーの間柄でしかないと言ってたけど・・・本当なのだろうか？

そんな二人をぼんやり眺めていたら、部長がこちらをくるりと向く。

「その・・・あんまり期待しないでね？」

そう顔を赤らめながら、ぼそぼそいうと、部長は更衣室へ入って言った。

なんとなくだが、リンドウさんが言ってたことが、わかるきがした。

数分後、着替えた部長ちゃんが出て来た。

銀髪のウィッグと赤のカラコン、黒のブーツまで使った、本気仕様だ。

「ど、どう・・・かな」

もじもじする部長ちゃんに、予想以上に似合うことに戸惑う人と、襲いかかりかねないリンドウさんを抑えるのに必死な人数人に分かれ、胡乱文芸部は混迷を深めていた。

「キャーーーーーーーーーーーーーーーーカワイイいよおおおおおおおおおおおお」

「借り物だから！　リンドウさん落ち着いて！！　破いて弁償は嫌ですよ！？」

「・・・・・・・・・（部長ちゃんはリンドウさんに恐怖をおぼえたようだ）」

おわりよければ、すべてよし！　よいおとしを！！