爬王。それは翼の無い竜「リザードマン」。竜の攻撃を受けて半端な進化を遂げた主人公は、妻との最後の約束を守る為に、竜を皆殺しにする凶器と化す。
最初は心優しい印象を受ける主人公だが、爬王に変化した途端に隠れていた「狂気」を見せるのが、中々に生々しい。
それに合わせるかのように、戦闘の描写は緻密に書かれて居て、竜との殺伐とした戦闘場面が目に浮かんでくるようだ。
物語は重厚に綴られて居るが、改行などを駆使した文脈は読み安く、サラリと読めてしまう所が凄い。
流行りの設定に疲れた読者様方。ここに本格派のシリアスファンタジーがありますよ!