一月二十三日 桃野千秋の日記
もうさぁ、勘弁してほしいのさぁ。なんで入院できなくて仕方なく家で治療、というかガマンしてる人がいっぱいいるのにさぁ。なにゆえ政治家って入院できるわけさ。丁寧に説明して。
新しくバイト探そうか。でも、今、求人も出てなさそうだし。
ただただ、海外ドラマと映画を見たり、ラジオ聴きながら掃除したりす日々。
これだけ恋愛ものにつかると、もたれる。アクションものってたいがい骨組みが一緒だし、ホラーははっきりパターンがある。映画サークルなのにこれまで映画のことなんにもわかっていなかったと気づく。
とにかく、世界が部屋になっている。これは太るわけだ。筋肉も落ちているだろうし。体重計に乗るのが怖い。うちにないけど。いつもサウナでのるだけだったから。買ったほうがいいんだろうけど、出費はおさえたい。
バイトも減っているし、給付金はもう出なさそうだ。去年よりひどくても出ないんだから、もっとひどくならないと出さないと言われているようなもんだ。誰もひどくなることなんか望んじゃいない。
うちで筋トレなんてできるのは、一軒家か頑丈なタワマンに住んでるセレブぐらいじゃないのか。こっちはただ歩くのだって、掃除機かけるのだって気をつかう。
ちょっと興味あって調べたけど、出前サービスも高いし、このへんの店に詳しくないし。それなら自分でフル装備で鈴木さんのところでテイクアウトする。
この一年、味覚に異常がないかチェックするという理由でずいぶんカレーを食べたけど、やっぱり鈴木さんのところが一番おいしい。ほんと鈴木さんのところも厳しいんだろうな。あそこ、立地もいいから家賃も高そうだし。
このまま卒業かぁ。なんかそんな気配が濃厚。
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