1月14日 白井冬至朗の日記
迷ったけど書こう。あのことを。ミドリカワはアオのスマホになにかしていた。オレはそのことに気づきながら、見逃した。むしろ、ミドリカワのやつがやってることがばれないようにアオの気をそらしすらした。なにをしようとしているか見届けてからでも遅くはないと思った、というのはいいわけだろう。ロック解除は簡単だ。アオのパターンはLだ。パターン認証に切り替えるのを教えてやったのはオレで、アオは目の前で「これでいいや」とパターンを入力した。めんどうくさがりのあいつらしいといえばあいつらしい。ちょっと注意して見ていれば、Lだということはわかる。複雑な動きじゃない。メールを盗み見るほどの時間はなかったはずだ。できても三通くらいだろう。だとすれば、ミドリカワの狙いはなんだ。恋人がいるかを確かめたのか。あいつもオレと同じ考えで、恋愛がらみでアオが刺されると考えているのか。ミドリカワと手を組めば、アオを狙っているやつのしっぽがつかめるかもしれない。でも、あいつと組むのは心配だ。一人でやろう。とにかく、もっとアオが用心してくれる方法を考えないと。多少、ひどい手を使ってもいい。
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