第7話

「帰りにゲーセン寄ろうぜ!!」


「やっべ…委員会始まる!!」


「部活行かなきゃ…だる…」


「どうしよう…宿題難しすぎる…誰か手伝って」


口々に思ったことを口に教室を出ていく。

玲於れおも委員会だとか言ってた…

今日は一人で帰るしかないと諦め教室を出て靴を履き替える。


「あれ?今日1人で帰り?」


その声に慌てて顔を上げると朔楽さくらがそこに立ってた。


「え?あ…うん…」


いつも隣に居る玲於に助けを求めようと思っても今日は委員会で不在。

諦めて頷くと彼は嬉しそうに“そっか”と言うとなにか思いついたような顔をして“じゃあ一緒に帰ろう?”という。


断る理由もないため、渋々頷くと靴を履き替えた彼は私の数歩先を歩き始める。


「玲於くんと仲いいよね?」


「ちゃんと玲於くんに優しくしてもらってる?」


「辛いこととかあったらいつでも相談してね!!」


矢継ぎ早に話し続ける彼に私は頷き続ける他無かった。

しばらく歩いたところで彼は“あっ僕こっちだからまたね〜”


そういって住宅街の静寂にあっという間に吸い込まれていく。

驚きつつ見送ると私は駅に向かって歩き始める。


ふと、ポケットの中のスマホを確認する。

画面を開くと未だに言い争っているコメントが流れる。


イヤホンを刺して昔4人で作った動画を流す。

あの時だって何時だって辛った、けど旋律めろが居たし他の皆で寄り添い合うように支え合って頑張ってた…けど、旋律が自殺をしてメンバーはお互いを非難し始めた。

結局私のリスナーが殺したということで私が悪いという話で落ち着いた後空中分解状に解散という形で終わった。


私がキーボードで旋律を作って皆がそこに音を出していく。

現実でもそうやって助け合ったのに最後の最後で罪のなすりつけあいをして二度と顔を合わせることは無かった…


今みんなは何してるのかな…

道の真ん中であることを忘れて堪えきれない涙が溢れ出す。




「アンタが話聞いてればよかったんでしょ?!」


「私はちゃんと聞いていたわよ!!でもなかなかめろちんが言わないから!!そういうあんたの方はどうなのよ」


「…私は……それよりLunaの方が仲良かったじゃない!!追い詰めたのはLunaのリスナーなんだからLunaが悪いのよ!!」


「……ごめんなさい」


「そうやって謝れば済むと思ってるの?!めろはもう帰ってこないんだよ?!悔しくないの?!!?」


…悔しくないわけが無い。

悲しくない訳じゃない。

大切な友達だからこそ気づけない私が嫌いだった。

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