第45話 最後の四天王、詩人Aが立ち上がる!

 前回までのあらすじ


 某県に新幹線が停まる駅の路上にて絵を描いて売る、という活動をしていたGhost。様々な悪縁が降りかかりつつも追い払ってきたが、最後に残ったブラックアーティストが一人居ました。

 それは詩人Aヒモ!!


 本作に出てくるブラックアーティスト四天王の中でも最年長の大人になれないオッサン。彼について語っていこうと思います。




〇さて、ここで一度、詩人Aの生活状況をおさらいしてみよう!


 僕と初めて会った時から、詩人Aは山奥に住んでいました。山奥と言っても、ポツンと一軒家で自然と共に生きているわけではなく、バブル時代に別荘として建てられたけれど、バブル崩壊後需要の無くなったマンションの一室でございます。そんなマンションの一室で妻子がいるにもかかわらず、彼は一人暮らしをしておりました。


 なんで、妻も子もいるのに一人暮らししてるのか?


 その理由は東日本大震災の時の福島原発の事故にあります。もはや忘れてしまった人が居るかもですが、あの事故後、放射能流出により福島のみならず関東地区、またもっと遠い地域まで放射能が風に乗って流出した、という話しがありました。

 特に山間部には集中して放射能が降り注ぐホットスポットが多く存在する、という事で詩人Aは嫁と息子を街に帰したそうです。

 なのに何で詩人A本人は引っ越さないの~?


 さて、震災時の原発事故を理由に別居していた詩人Aでしたが彼は職業詩人です。またの名を無職。

 その為、詩人Aの奥さんが子供を育てるために働きながら、ワンオペで子育てを行っているという状況です。

 それに対して詩人無職の詩人Aは山奥に引きこもって何もしない。本当に何もしない。




〇詩人AとGhostとの関係をおさらいしていこう!


 詩人Aと知り合った当時の僕は深夜のコンビニでバイトをしていました。余談ですが、こちらもブラックバイトです(/・ω・)/


 さて、深夜のバイトですので昼夜逆転生活です。昼間は大抵小説書くか寝ているわけですが、そんな時に連絡を入れてくるのが詩人A。昼間っから「スカイプで通話しよう」と絡んできて、中身の無い話しを延々と続けてきます。

 正直ウザい……あれ? そう言えばこの展開、役者Aの時もあったぞ!


 そんな詩人Aの家に一度だけ言った事がありました。


詩人A

「うちに遊びにおいでよ」


 という詩人Aの誘いを正直な話し(面倒くせぇな)と思ってはいたのですが、断り切れず一度だけ家に伺ったものの、一見して分かるくらいにスゴイ家。


 壁際にずらーっと摘まれた本(「へー、たくさん読んでいるんですね」と言ったら「ほとんど読んでいない」という謎の返答が帰ってきた)。

 明らかに掃除してない床(土足で上がってい良い?)。

 変なにおいがするキッチン(下水の臭いが上がってきてるのかな?)。


 いや、僕もすぐに部屋が汚くなるから人の事は言えないかもだけどさ(/・ω・)/




〇スカイプ越しに夫婦喧嘩を聞かされるの巻き


 ある日の事。カタカタ小説を書いているとスカイプの通知が入りました。相手は詩人Aでスカイプで通話しようと言われます。その日は何故か奥さんもスカイプでつながっていて、夫婦の雑談に僕が混じるというわけのわからない状態です。


 ちなみに詩人Aは山奥の家、奥さんは実家からスカイプをしています。

 最初のうちは文芸の話しや、何かのイベントの話し? をしていたと思います……が! なぜだか段々と口論に発展していく詩人Aと、その奥さん。会話に参加しないで一人小説を書き始めるGhost(/・ω・)/


 口論が決定的な喧嘩……というか詩人Aの恫喝に変わったのは、詩の朗読会の際に詩人Aが言った言葉を奥さんが咎めた時でした。

 なんでも詩人Aは詩の朗読会の時に、


詩人A

「今は山奥で一人暮らししてるから寂しい」


 と言ったらしく、奥さんはそれが納得できない。だって家族全員で引っ越せばいいのに詩人Aが勝手に山奥に残っているだけなんだから(/・ω・)/

 しかも会場にいた女性陣に一人暮らしをアピールするような事までしていたから奥さんが怒るのも無理はないわけです。


詩人Aの奥さん

「詩人Aが無理やり私らを山から降ろして、なぜか自分は山に籠っているだけでしょう」


 という奥さんの言葉に詩人Aブチギレ! まさに瞬間沸騰!!


詩人A

「放射能がぁぁぁぁ! ホットスポットがぁぁぁぁ!!」


Ghost

(……うるせぇ)

 キーボード、カタカタ。


 さて、一、二分くらいキンキン声で怒鳴り続けた詩人A。

 理屈的には奥さんの方が圧倒的に道理が通っているように感じましたが、詩人Aのパワハラとモラハラとの波状攻撃によって、ついに泣き始める奥さん

 怒鳴り付かれてようやく黙った詩人Aに対して


詩人Aの奥さん

「私は詩人の妻だから」


 と涙を噛みしめながら呟いていました。うっわー、いたたまれねぇ。


 その後、奥さんはスカイプから抜けたのですが、詩人Aはしばらくの間、僕に対してぐちぐち文句を続けていました。ま、聞き流していましたが(/・ω・)/

 その時に詩人Aが言った一言。


詩人A

「怒鳴り過ぎて声枯れちゃった」


Ghost

(え? たった一、二分怒鳴っただけで人間の声って枯れるの?)


 思わぬ所でデスメタルボーカル経験者と普通の人との違いが出たな。ヌハハハハ(/・ω・)/





〇帽子をプレゼント。いらない。


 詩人Aは若い頃にイギリスの美術大学へ留学していたそうです。その頃に詩人Aはシャーロックホームズの帽子のレプリカを買ったそうです。

 これが今回の問題の品。


 ある日の事、詩人Aと世間話をしていると、突然その帽子を僕にくれると言い出しました。

 正直、あんまり興味なかったのでけど、断るのもなんか悪いし(ノーと言えない人(笑))とりあえず貰うという流れになりました。


 それから数か月後、帽子の事なんかすっかり忘れていたある日の週末。某駅の路上で絵を描いていると詩人A夫妻に出会いました。その時に詩人Aからホームズの帽子をプレゼントされたのですが、貰った矢先、少し離れた場所で詩人Aと奥さんが口論を始めます。少し離れてはいましたが、口論の内容は完璧に聞こえていました。

 何やらこの帽子、思い出の品物だったらしく詩人Aの奥さんは「なんで、あげちゃうの?」と咎めるのですが、それ対して逆切れする詩人A。


 その後、めっちゃ不満そうな顔している奥さんの顔を尻目に僕に帽子を渡す詩人A。


 正直、いらねぇぇぇぇぇ!!!


 ちなみにその帽子は詩人Aと絶縁した後、引っ越しをした際に燃えるゴミに混ぜて捨てました。だって、正直、普段使いするにはデザインがスカしてるんだもん(/・ω・)/

 とりあえず、奥さんゴメン! 詩人Aには謝らんけど(/・ω・)/


 それにしても詩人A。日常的に奥さんを怒鳴りつけたり、馬鹿にしたりしている様子が目につきました。奥さんの方が優秀なのになぁ。実質、奥さんの方が収入あるし。


 DVは自分の子供の目の前でも平気で行われていました。いわゆる面前DVと言うヤツです。お子さんの性格形成に確実に悪影響が出てきます。ま、だって僕も経験者だからね(/・ω・)/


 今思うと彼は無意識レベルで、奥さんの事(正確には女性すべて)を見下していたのだと思います。彼の中ではであり、彼が求める女性像はでしかなかったのでしょう。

 なのでお母さんのメタファーであるは衣食住、あらゆる自分の欲求を見てしてくれて当たり前。ゆえに自分の思った通りに動かないのは許せない。だからキレる。DVに走る。という事なのだと思います。


 ……それにしても、自分を保護してくれる対象がいないと生きていけない詩人A。随分難儀な生き方をしているなぁ、と思ってしまう僕ですが、そういう人の方が結果はどうであれモテるんだろうなぁ(/・ω・)/


 さて、今回は詩人Aの所業にフォーカスしましたが、これだけで終わらないのがブラックアーティスト!

 次回は詩人Aの芸術活動やキリスト教的な宗教活動の要素にフォーカスしていきます。

 本格的に僕が……というか僕の友人である小説家Aさんが詩人Aの蛮行に巻き込まれるのはここからなのでございます!!


 to be continued(/・ω・)/

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