番外編 ブラックアーティスト達とドラッグ事情!

 今回は番外編!


 アーティストという人種と関わるようになるまで、僕は人生でドラッグと関わる機会なんてまったくありませんでした。もちろん、アーティストと呼ばれる人々のすべてが薬物を使っているというわけではありません。あくまでも彼らの中のごく一部が薬物に手を出しているだけなのですが、少なくともアートに関わるまで僕にとってドラッグは外国の出来事並みに遠い場所のお話しでした。

 実際に薬物を使用していたアーティストの中にも”ドラッグと自分”がクロスオーバーするなんて考えた事も無かった、という方が多数いました。


 恐らく日本で普通に生きている限り、薬物と普通の生活は目に見えない壁によって遮られています。

 しかしながら、その壁はところどころ穴が開いていて、不思議の国のアリスがウサギの穴に落ちていくように、稀に迷い込んでしまう人が出てきてしまうようです。


 某県でデスメタルバンドのボーカルをやっていた時、路上で絵を描いていた時、演劇に関わっていた時、まれにウサギの穴に落ちていった人達と関わる事がありました。

 もちろん麻薬などの薬物は違法なのです。ただ、中にはすごく気の良い人も居ましたし、単純に嫌な奴もいました。

 つまり違法ドラッグに手を出すことは犯罪ですが、人格とは切り離して考えて良い物だと気づくことができたわけです。


 そういった人たちから聞いたドラッグに関わるお話を今回はまとめていきたいと思います。


 ※注

 本エピソードに出てくる登場人物たちの名前は全てアルファベットによる仮名で表記しておりますが、本編の登場人物たちとは別の人物になります。


 また、違法薬物を推奨する目的はございませんし、僕自身は違法な薬物を使用した経験はありません。

 そして気分に作用する外的要因(違法ドラッグはもちろん、アルコールやタバコ、暴力、砂糖、性etc.)に依存することを軽蔑しています。




〇ライブハウスの受付に普通に注射器が転がっている!


 もはや初っ端からギャグと紙一重なエピソードです。

 漫☆画太郎先生的なタッチで情景を描いてほしい。


 某県はバンドが盛んな県で有名な地域で、その結果地方にしてはライブハウスも充実していました。

 そんなライブハウスの中でひときわ異彩を放っていた施設がライブハウスA。

 十年ほど前に閉店してしまったのですが、良くも悪くも”アンダーグラウンド”な空気が漂っているハコでした。


 インディーズ時代のグレイなど大物アーティストも多数利用したライブハウスで、そこで演奏する演者や客層もガチ勢が多数まさに世紀末

 壁中にステッカーや落書きだらけ。タバコでない煙の臭いが充満してる。ハードコア系のイベントでは演者、客問わず血だるまになって救急者が呼ばれる事もしばしば(という噂)。

 いやー、さすがに閉店するわ。こりゃ。


 ライブハウスとしてはかなり優秀な施設であり、腕のいいPAさんも働いていたのですが、怖くて高校生は一人で入れないような会場です。

 高校生の年齢でステージに上がろうものなら、古株のバンドマンに、


古株バンドマン

「殺すぞ、ガキが」


 と威嚇されることも日常茶飯事。

 令和の現在なら、いやホントいつの時代だよ、と突っ込みたくなる状況です(/・ω・)/


 さて、このライブハウス。友人から聞いた話なのですが受付の机の上にボールペンと同じ雰囲気で普通に注射器が転がっていたとか。

 僕も、二度ほどこのライブハウスには言った事があるのですが、さすがにそれは気づかなかったなぁ。気づかなくて良かった(/・ω・)/




〇ヤク中達は早朝にスーパーに向かう!


 某県にて、某日。とあるアパートに1室に数人の男たちが集まっていたそうな。彼らはマリファナ(大麻)愛好家。その日も夜な夜な集まって巻紙にネタを巻いて吸っていたそうな。


 ここで彼らから聞いたマリファナ豆知識!

 マリファナに限らず違法薬物は高価な物です(いわゆる末端価格。悪い人たちが私腹を肥やすために売られているので、高いのは当たり前(/・ω・)/)。巻紙に巻いてタバコと同じように吸うわけですが、火をつけているので吸ってない最中も燃えてしまう。


 つまり、もったいない!


 なので一本のマリファナを数人で回し吸いをする、というのはコミュニケーションでありながら一つの節約術だそうな。

 他にも巻紙の先端にだけマリファナを詰めて、根元の方はタバコの葉っぱを入れる事で無駄なくマリファナを吸うなど節約術は他にもあるそうですが、これは基本的に貧乏くさい吸い方らしいです。


 はい、悪い豆知識はお終い。


 さて夜な夜なマリファナを吸っていた彼らですが、気が付いたらネタが切れてしまいました。とはいえ彼らは吸い足りない。けれどネタが無い以上どうしようもない。


 そこで彼らは考えました。

 レタスの芯にはマリファナに似た成分が含まれているそうで、それを知っていた彼らは


「よし! レタスを買いに行こう!」


 という事になりました。とはいえ時刻は深夜。スーパーが開いているわけがありません。けれども諦めないマリファナ中毒者達! 朝まで目を爛々とさせながらスーパーの開店時間になると男たちはレタスを求めてスーパーに駆け込みます。


 けれど悲しいかな。


 寝不足とドラッグで頭が回らない彼らが買ってきたのは。おしい! 微妙に違う!


 けれど、キャベツの芯を巻紙に巻いて吸っているうちに、段々キマっているような気になってくる。

 もー、それ、何でも良くね?


 ちなみにバナナの薄皮にもリラックス成分が含まれているので、沢山食べると眠くなるそうです。寝つきの悪い人はおやつとしてバナナを食べるとリラックス効果もあるのでお勧めかもね。

 ま、僕バナナ苦手で食べれないんだけど。




〇隔離病院に訪れる慰安者


 ドラッグ中毒者の中には、もう誰の手の届かない所まで飛んで行ってしまった人も出てくるそうです。今回はそんな話。


 とあるドラッグを愛好している集団がおりました。詳しい話は知りませんが、恐らくはマリファナ以上に毒性の強い違法ドラッグにも手を出していたのだと思います。

 その集団の中の一人の男性が薬物の影響で完全に発狂。山奥に隔離されるタイプの病院に入院という名の収容されることになったそうです。


 その後、心配した仲間たちはお見舞いに行ったそうですが、面会で久しぶりに会った仲間がこう言ったそうです。


「アスカが慰問に来てくれた」


 お見舞いに来た一同

(なに言ってんだコイツ?)


 話しを聞いているうちに彼の言う「アスカ」という人物がの事だと気づいたのですが、冗談とは思えない彼の話しぶりに一同沈黙。ツッコミを入れる事も出来ないまま病院を去ったそうな。


 その後、入院していた男性ですが病院を脱走。消息は不明だそうな……こわっ(/・ω・)/




〇お前らに食わせる飯はねぇ!


 さて、これは僕の実体験です。


 ある日の事、僕はミュージシャンの友人を僕の部屋ヘルハウスに招いて飲んでおりました。たしかその日はグリーンカレーを振舞っていたと思う。


 平和的にお酒を飲んでいた僕らでしたが、友人の元に電話が来ました。電話の相手は僕も面識がある人達で彼らもミュージシャン。

 今、バンドメンバーでスタジオに入っていたんだけど、これから遊びに行かないか? という誘いでした。

 その誘いに対してミュージシャンの友人は


「今、Ghostさんの家で飲んでる」


 と伝えたところ


「僕らも遊びに行っていい?」


 との事だったので僕はOKします。


 数分後、ミュージシャン達(たしか三人か四人くらい)が僕の家ヘルハウスにやって来たのですが、全員ピントの合わない目をしてる。

 なんか、ちょっと血走った目で遠くを眺めてる。

 しかも特有なかぐわしい臭いが漂ってる。

 幸せそうな雰囲気だけど、お前ら完全にトンでんじゃねーか!!


 さて、そんな彼らのうち一人が


「オニオンスープが飲みたい」


 と言ったのですが、いつもだった食べたいものがリクエストされた作るんだけど、ドラッグでラリッた舌に食わす飯はねぇぇぇぇ!


 そして、部屋ヘルハウスの片隅でこそこそと巻紙を巻き始めるミュージシャンたち。


 うおぉぉぉぉい! ウチでマリファナ吸おうとするなぁぁぁぁ!


 これが僕の家が色んな人からヘルハウスと呼ばれていた所以です。

 ちなみに路上アート集団Aの元キャバ嬢・絵師Bが僕の家ヘルハウスに飲みに来た時は何度か脱法ハーブを吸い始めたりしていました。一応、違法ではない物の(当時は)ブラックに近いグレーだよ!


 ドラッグ・アルコールに明け暮れた中島らも氏の住んでいたアパートの一室『ヘルハウス』と変わらない事をやっていたわけですが、これだけは言わせて頂きたい。


 完全に不可抗力だよ(/・ω・)/




 さて、違法薬物の危ない気配を感じつつも、正直な話し、振り返ってみるとドラッグよりも他人を利用すしようとする人間の悪意の方がよっぽど怖い物だったと思います。

 つまり役者AやミュージシャンB、絵師B、手相占い芸人Aなどと言った連中の事なのですが、彼らと絶縁した後は割と平和な日々が待っていたと思います……とハッピーエンドに向かってくれるほど人生甘くはない!


 最後に残ったブラック・アーティスト四天王の最後の一人、詩人A。この男が僕と僕の周辺で騒ぎを起こすのですが、その詳細はまた次回!


 to be continued(/・ω・)/

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