第37話 頭のおかしい自称アーティスト達と関わり過ぎた結果、ついに発狂! そして失踪!! 後編。

 前回までのあらすじ


 達の影響で、ついに頭が完全発狂したGhost!

 ある日ふと家の近くの道を見た時、


「この道何処へ続いてるんだろう?」


 とふと思ったが最後、僕の失踪が始まるのだった(/・ω・)/



 

○道は日本橋まで続いていたよ!(当たり前や!)


 失踪から五日か六日がたった頃、僕の顔は日焼けで真っ赤になり、両ひざは壊れてヨチヨチ歩き。さらに風呂も入らず歩き続けていた物だから超臭い!!


 そして道行くすべての者に恨み辛み妬み僻み、あらゆる負のエネルギーをまき散らす、そんな第一級変質者になりながらも歩き続けた結果、ついに辿り着きました!

 この失踪劇の始まりになった『この道は何処へ続いているのだろう?』の回答、道の最果て、『日本橋』に(/・ω・)/


 ま、何か大きな目標があって歩いていたわけではないので目的地に辿り着いたところで大きな感動もなく(ふーん)くらいの感想で、そのまま秋葉原方面へ歩き始めたんですけれどね(/・ω・)/


 ちなみにこの失踪劇から数か月後の事、調べ物をしている時に気づいたのですが、結構多くの国道が日本橋が起点(終点)になってるんですね。

 知らなかったー。知っていたら、こんな発狂はしなかったかもしれないのに(/・ω・)/




○秋葉原で酔っ払いに間違われ絵画を売りつけられそうになる、の巻。


 秋葉原にて昔から名をはせている集団『エウリアン』をご存じでしょうか?

 オタクの街、秋葉原を拠点に若い女性達が、女性に慣れていない男たちを手玉に取って絵画を売りつけてくる。そんな集団が『エウリアン絵売りアン』です。

 ちなみに当時の僕は、そんな連中の事なんてまったく知りません。


 さて、発狂して一週間近く歩き続け、膝を壊してびっこを引いて歩き、さらに日焼けのせいで酔っ払いのような姿になった僕に声を掛ける女性が居ました。

 多分、二十歳代中頃くらいの、凝ったメイクをした人でした。そう、その人こそエウリアン!


エウリアン

「すみません。ちょっと、よろしいですか?」


Ghost

(なんだてめーころすぞー、的な視線で相手を見てしまう)


エウリアン

「あれ? もしかしてお酒は行ってらっしゃいますか?」


 別にお酒なんて飲んでいません。

 恐らく日焼けで真っ赤になった肌と、発狂して目が座っている僕の事を酔っ払いと勘違いしたんだと思います(/・ω・)/


Ghost

「あー、いえ。これ日焼けです」


エウリアン

「そうなんですねー。実は私、芸術(を売る事)がすごく好きで、今そこのギャラリーで回顧展をやっているんですけれど、良かったら見に来て頂けませんか?」


Ghost

「絵ですか? ボクも絵(を書く事)は好きですよ」


エウリアン

「そうなんですね。丁度良かった! 是非に見来てください!」


 と、言われるがままに連れていかれたのは雑居ビル。中に入ってみると少々薄暗い室内、その壁には多くのライトアップされた絵が飾られていました。絵の他にも絵葉書やクリアファイルみたいなグッズもタップリ置かれています。


 んー?

 この時まで僕は勘違いをしていました。

 この女性の描いた作品がギャラリーに展示されてるのかなぁ、と思って着いて行ったのですが、ギャラリーの中には普通にオタクっぽい男性たちに小奇麗な格好をした女性がひたすら絵を買わせようと営業トークをしている。


Ghost

「ん? お姉さんが描いた絵じゃないんですね?」


エウリアン

「え? あ、違いますよ。ここに転じされているのは世界で活躍し始めた新進気鋭の若手作家の作品ばかりで……」


Ghost

「なーんだ。ボクも絵を描くんですけどね、絵描きさんのお話が聞けると思って期待しちゃっていました」


エウリアン

「……絵、描いてるんですか?」


Ghost

「はい。何回か知人ミュージシャンのアルバムのジャケ作ったり、商店街のお祭りとかでライブペインティングやらせてもらったりしたこともありますよ」


エウリアン

「へ、へぇー、そうなんですね……今日はどういった用事で秋葉原に来てたんですか?」


Ghost

「いや、秋葉原に来るつもりはなかったんですけどね、家の前の道を見て、この道何処から来てるんだろうなぁ、と思って一週間くらい歩き続けたら、たまたまここに辿り着いたって言うか」


エウリアン

「一週間歩いてきたんですか?」(ドン引き)


Ghost

「大体100キロくらい歩いたんじゃないですかね」


エウリアン

「……少々お待ちください」


 と言って突然その場から立ち去る女性。

 明らかにドン引きしてた様子でしたが、僕は気にせず周囲の絵を眺める事数分。「お待たせしました」という声に振り向くと、そこにはさっきの女性とは別の女性……さっきの女性より年上で、30~40歳くらいの美人系の方でした。美人なのですが、僕の直感が叫びます。


Ghost

(なんか胡散臭そうな人が来たー(/・ω・)/)




〇秋葉原で絵を売りつけられそうになったから、逆に自分の書いた絵を売りつけようとする! の巻。


 さて、先程の若い女性の代わりにやって来たアラサーの美人な女性。


Ghost

(なんだ、このチーママっぽい人は!?)


 という感想を抱いてしまったのですが、さすがは年齢を重ねているだけあって先程の女性とは打って変わってガシガシ営業トークを仕掛けてきます。


チーママ・エウリアン

「一般の方はこちらのような絵が好きなんですけどー(ラッセンっぽい絵)、お兄さんのような絵を書かれる方はこういうちょっと変わった作品を喜ぶ方がおおいですねー。いかがです?」


 そう言っておススメされたのはシュルレアリズム的な作品。


Ghost

「あ、あー、良いんじゃないです? マグリットみたいで?」


チーママ・エウリアン

「マグリット?」


Ghost

「ルネ・マグリット」


チーママ・エウリアン

「え?」(なに言ってんだコイツ?)


Ghost

「え?」(なに言ってんだコイツ? マグリット知らないの?)


 何とも話がかみ合わなかったのですが、そもそもこの人たちが売っている絵、料金的には数万~数十万円の作品だらけで、さらに言えば(ご存じの方も多いと思いますが)展示されている作品のほとんど(というか全て)が印刷した物です。

 まぁ、家庭用プリンターで印刷した物と違い、シルクスクリーン等の方法を用いてますのでと言っても良いんですけれども、正直どれだけ大量生産したのかすら不明な印刷物に何万も払う気に何てなれません。

 といった旨を伝えると、


チーママ・エウリアン

「それじゃ、こちらに来てください。こちらには絵葉書やクリアファイルなども置いているんですよ。ほら見てください、これ。メガネケースも。何か記念にいかがですか?」


 折れねぇー。この人、折れねぇよ。鉄の心持ってるよぉ。

 このエウリアンの人達は”掴まえた獲物には絶対に売りつける”と界隈では有名らしいですね。秋葉原に訪れた多くの人々が、ここでよくわからない物を買わされてきたとか、なんとか。

 ちなみにこの一年後、コンビニバイトを始めた僕ですが、そこの店長が秋葉原に遊びに行った後に、

「秋葉原で絵葉書買っちゃいましたよ。いやぁ、芸術っていいですねぇ」

 とか言ってたんで、優しい笑顔で「良かったねぇ」って慰めといたのは別の話し(/・ω・)/


 さて、それにしても”絵葉書”も売っていると言われるとボクも気になってきます。

もちろん、



と思ったのではなく、



と言う方向で(/・ω・)/


Ghost

「ボクも路上で絵葉書売ってるんですよ。今、絵葉書はないですけれど、先日書いた絵があるんで良かったら見ます?」


チーママ・エウリアン

「え? あ。はい」(ノー、とは言いづらい雰囲気)


 そう言って僕が唯一家から持ってきたショルダーバッグからスケッチブックを取り出します。

 そうそう、最近近況ノートに画像が貼れるようになったんですよね。ついでに、この時エウリアンさんに見せた絵を投稿しておこうと思います。


Ghost

「どうですこれ? 良かったら買いません?」


チーママ・エウリアン

「いえ、そう言うのはちょっと……こちらの作品も楽しんで頂けたようなので、この辺でー」


 そんな感じで、ついにはチーママ・エウリアンに追い出されたGhost。

 なんじゃい、もうちょっと僕の絵にも関心持ってくれても良いやんか(笑)




〇お家に帰るまでが失踪です。


 秋葉原でエウリアンに店から追い出された翌日。財布に残っていたお金で電車に乗って家路に着きました。

 帰りは歩かなかったの? と思う方もいるかもしれませんが、歩かなかった、というか。という感じです。

 もう完全に両ひざとも壊れてしまって、まともに歩けないのはもちろんの事、すでに動かなくても痛い。というか完全に炎症を起していて膝に熱がこもっていました。


 そんなこんなで無事(じゃない)自宅アパートヘルハウスに帰り着いたのですが膝のケガは長引く物です。その後、三か月ほどの間、杖を突いての生活が始まります。


 それに加えて、完全に発狂してしまった後遺症か、目つきまで”最悪”に変貌。そんな男が杖を突いて、身体を引きずりながら歩いているのです。うっわ、俺だったら絶対に関わりたくねーわ(/・ω・)/


 そんなコンディション最悪の状態でも、僕は路上に出て絵を描く活動を続けていたのですが(他にやる事なかったからね(/・ω・)/)、そんな中で十年以上の友達になる新たな変態たちと出会うのですがそれはまた次回。



 to be continued(/・ω・)/

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