第3話 その男、イケメン(変態)につき
前回までのあらすじ。
役者Aの頼みで一人芝居の脚本を作る事になったGhost。初の脚本制作という事もあって思ったように書く事が出来ない。
そこで既に役者Aが作ったという脚本を見せてもらうも、凄まじくつまらない。
役者A曰く、自分は失読症で演目を脚本に出来ない、と言っているものの、
Ghost「それって、医者に診断してもらったんです?」
役者A「医者には行ってない。本読むの苦手だから、多分、失読症なんだと思う」
それ、失読症ちゃうわー!
○日本の心、それ即ち和服! 路上で和服を着る会を立ち上げる! えぇ……
とある日の事。役者Aから電話がありました。
役者A
『日本人は日本の心、和の心を忘れてると思うんだよ』
Ghost
「あー、はい。そうですね(小説執筆中。パソコン、カタカタ)」
役者A
『本来の日本の精神を取り戻すために、俺たち若者から動き出さないといけないと思うんだ』
Ghost
「ふーん、なるほどー(若者って、あんたもうアラサーやん)」
役者A
『そこで和服を着る若者の
Ghost
「うわ、まんまっスねー(パソコン、カタカタ)」
ここで少し補足。役者Aはいわゆるジャイアニズムに憑りつかれた俺様タイプ(のバカ)なので、こういった
役者A
『ただ和服着てても注目されないからさ。和服を着て人前でなんかパフォーマンスしようと思うんだ。○○駅とか丁度いいと思ってるんだけど』
Ghost
「あー、新幹線も止まるし、人の多い駅だから良いんじゃないですか(パソコン、カタカタ)」
役者A
『俺の友達のアーティストも誘ってるんだけど、それじゃ近いうちに顔合わせしよう』
また連絡する、と言って電話を切る役者A。
そして少し困ってしまったGhost。
路上でパフォーマンスするったって何するよ? 路上で小説書いてたらただの変人だし、ましてや路上ミュージシャンみたいにデスメタルなんか歌おうものなら一発で補導されるだろうし……。
と考える末に思い出しました。
(そー言えば、絵を描いてみたいんだったなぁ)
いつしかそういった感覚を
○その男、
そこで連絡を入れたのがアパレル系の専門学校に通っていた友人。これをきっかけに僕の絵の師匠になる人なので、師匠と表記していきます。
【キャラクター紹介から抜粋】
○Ghostの絵の師匠、師匠
Ghostとは専門学校時代の同級生。男性。
一年同じ工業系学校に通ったのち、彼はアパレル系の専門学校へ転校。そこで絵を学ぶ。僕に絵を教えてくれた師匠。
超イケメン。デスノートの八神ライトに似てる(マンガ版)。背景に花が咲きそうなレベルのイケメン。なのに、下ネタ大好きの変態。
《所有する芸術スキル》
・鉛筆画、水彩画。
・オシャレ番長。
・ホームページ制作、デザイン。
・驚異の下ネタ好き。
キャラクター紹介にも書きましたが、この人は《超》が付くイケメン。
アパレル系の専門学校にてデザインを勉強しつつ、身長180センチ、そしてスラっとした長い脚を生かして、学園祭などのイベントではファッションモデルを務める等々、ラノベに出てくるいけ好かない完璧イケメンかよ! とツッコミ入れたくなります。
なのに口を開けばひたすら下ネタしか出てこない。
彼の信念は(いかにもイケメンな)女性がらみのチャラチャラした下ネタは無粋かつ野暮であり、最も軽蔑する下ネタであるという事。
そのため方向性が斜め上なアダルトビデオの話しとか、方向性が斜め上なアダルトグッズの話しとか、過激なマスターベーションの話しとか、そういう《超》下らない下ネタばっかり話しているので、女性から見たら大変に残念な人でした。
男友達から見たら、お前、最高かよ(/・ω・)/
さて、スケッチブックと鉛筆を準備して師匠を自宅に招き、絵を描くことについてご教授頂きました。とりあえずお金も道具もかからない鉛筆画を始めてみるのでした。
【心得その一:鉛筆はカッターで削れ】
当日、鉛筆(2B)と鉛筆削りを用意していた僕ですが、真っ先に指摘されたのがコレです。
師匠
「鉛筆はカッターで削って、芯を長めに出してね」
Ghost
「いや、めっちゃ難しいんだけど……チラッ(師匠の削っている鉛筆をのぞき見する。あれ? めっちゃ綺麗に削ってる。師匠、超器用!)」
【心得その二:描く前に見る】
とりあえず描いてみよう、と師匠に言われて部屋の中にあった物(その時はティッシュBOX)を描き始めたのですが、当然いきなりうまく描けるわけがない(/・ω・)/
特に箱から飛び出たティッシュのふわふわした感じが掴み所がない。とりあえず鉛筆を動かせば動かすほど、スケッチブックには目の前の光景から離れた物が出来上がっていく。なんじゃこりゃ!
師匠
「焦りすぎだよ。描く前によく見てみて」
Ghost
「よく見る……(ジー……)」
なる程、そう言われてよく観察してみると、今まで気づかなかったヒラヒラ、フワフワした白いティッシュにも影があって、その影はティッシュのヨレに沿って浮かんでいる。その影を上手く捕らえれば、自然とティッシュの質感を再現できる……等々の発見がありました。
『よく見る』これは何に対しても使える考え方かもしれません。
それにしても……当然、師匠も絵を描く時は被写体をジーっと観察するわけで。もし被写体が女性のモデルさんだったら大変そう、と思った次第でした。
だってこのイケメン、目がキラキラしてるよ。毛穴とかどこにもないよ。そんなイケメンにジーっと見つめられるんだよ……。
何で変態なんだよ(/・ω・)/
【心得その三:めっちゃ褒める】
描き始めて数時間がたったころ。最初に描いたティッシュを終え、コップや自分の手など別の物も描いていたのですが、その間ずっと
師匠「おー、センスあるねー」
師匠「いやぁ、スタートでこれだけ描けるって世の中、不平等だわ」
師匠「いきなりそんな風には出来ないよ。才能あるわー」
ずっと褒めまくりです。
描きながら《イケメンにひたすら褒められるサービス始めたら儲かるんじゃないかな?》と考えていた心がイケメンでない僕ですが、この日は三時間ほど絵を描いて授業は終了。
師匠
「後はひたすら描く事が一番の近道だよ」
そのアドバイスは技術を覚える上で一番の方法かもしれません。
それから一日十分~一時間程度、どんなに短くても良いから描く習慣をつけるようにしたのでした。面白い物で日に日に絵を描く事に手が慣れていく感覚がありました。始めて小説を描いた時の四苦八苦しながらキーボードを叩いていた指が、徐々に生き生き動き始めた時のような感覚です。
全然上手くないけれど、徐々に形を捕らえられるようになってきた数週間後の事、役者Aから再び電話がかかってくるのですが、この先は次回!
ちなみに、手先が器用で、めっちゃイケメンで、めっちゃ褒めまくるモテる要素しかない師匠は、僕に絵を教えてくれた後はいつもの通りの変態でした。
尿道にフォークを突っ込んで取れなくなったお爺ちゃんの話とか(尖ったほうから入れているレントゲン写真を嬉々として見せてくれた)、最近見た発想が斜め上なアダルトビデオ(女優さんが一切出てこない。代わりに
その話に熱心に食いつく僕も僕だけど、師匠、色々と残念過ぎるよぉぉ!
to be continued(/・ω・)/
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