今夜読者諸兄に紹介する作品は、クトゥルー神話に慣れ親しんだ者のみが味わい尽くせる作品だと始めに断っておく。
作品の主人公はかのフィリップ・マーローよろしく、ハードボイルドを地で行く半魚人だ。
たとえ真夏であろうが帽子とコートと言う、主人公の服装への拘りにもハッキリとした理由があるのがグッド。
設定だけでなく、文体の方もエスプリが聞いていてユーモアたっぷり。
今夜は好みのツマミを用意し、ウヰスキーのミニボトルを楽しむ様な感覚で作品を味わうのも良いだろう。
但し、そのツマミがカニカマで今作品の番外編も併せて楽しんだとしたら、少しばかり苦い思いをするかもしれない……。