第5話

「ららら・らら〜ら・ららら〜♪」



 スキル[ワンマンライブ]


 作曲の手引き→初級

 評価[雑]6[普通]4[上等]9[神]0


 作詞の手引き→初級

 評価[雑]6[普通]4[上等]0[神]0


 演出の手引き→初級

 評価[雑]5[普通]5[上等]1[神]0


 演舞の手引き→初級

 評価[雑]6[普通]7[上等]2[神]0


 衣装の手引き→初級

 評価[雑]6[普通]6[上等]0[神]0


 歌唱の手引き→初級

 評価[雑]0[普通]6[上等]6[神]0


 魅力の手引き→上級ꫛꫀꪝ✧‧˚

 評価[雑]1[普通]1[上等]9[神]3


 話術の手引き→初級

 評価[雑]1[普通]5[上等]9[神]0


【掲示板】突然の奇行に走るクラスメイトを見守る会


 1名前:名無しのクラスメイト

 な、なに突然!


 2名前:名無しのクラスメイト

 おわっ!びっくりした!


 3名前:名無しのクラスメイト

 なんだ?無能がなんか歌い出したんだが(笑)


 4名前:名無しのクラスメイト

 急に歌い出すとか気でも触れたのかしら?


 5名前:名無しのクラスメイト

 可愛いのに無能で阿呆の子とか…。勿体無い


 6名前:名無しのクラスメイト

 アリサちゃん。突然歌い出すとか、益々孤立しちゃうよ…


 7名前:名無しのクラスメイト

 やっぱり無能は無能だな!


 8名前:名無しのクラスメイト

 顔は可愛いのに…


 9名前:名無しのクラスメイト

 無能に近づくと無能が移っちゃうわね!


 …………


「皆さん!質問よろしいでしょうか?」


 歌うの辞め大きな声で叫ぶ。


 クラスメイトがびっくりして此方を見る。


「私、歌っている時だけスキルが見えるのですが、歌う事を辞めると消えちゃうんです!

 何方かスキルを見続ける為の方法を知っている、若しくは似たような方法を知っている方はいらっしゃいませんか?

 スキルの検証の為にどうしても必要なんです!

 何方かいらっしゃいませんか?」



 ザワザワと騒がしくなる教室。

 しかし誰も声を掛けてくれない。


 まあ、そうだろうなとは思っていた。

 私はこの教室の誰一人として知り合いも顔見知りもいないのだ。

 知られているのは無能スキル保持者という事だけ。


 そんな事を思っていたら教師がやって来た。


「おはよう!これからこのクラスを受け持つバルサだ!これからよろしく!同じ出身同士なら顔見知りもいるだろうが、知らないやつもいるだろう。1人づつ自己紹介して貰おう。そこの一番前のお前からやってくれ」


「え、僕ですか?」


「そうだ、名前と出身地、あとスキルだな」


「あ、はい。セロンです。出身はナムル村です。スキルは木工です。よろしくお願いいたします」


「うむ。セロンだな。次、後ろのお前」


「は、はい!私の名前はカリナです!出身はセロンと同じナムル村です!スキルは細工です!お願いいたします!」


「うむ。次々にやっていけ」


「アタシはマーヤです。アタシもナムル村です。スキルは……」


 次々に自己紹介がなされていく。


 私の番か。

「初めまして。アリサといいます。出身はヘルナ村です。スキルは「ん?ヘルナ村?」ワン…はい、そうですが何か?」


「ああ、無能スキルのガキか。スキルは言わんでいいぞ。次のやつ」


「え!」

「はい!俺の名前はバーニー!メッセ村出身!スキルは剣術だぜ!よろしくな!」


「おお、剣術か!ふむバーニーだな。覚えたぞ」

「ありがとうございます!」


「次!」


 ・

 ・

 ・


「アリサちゃん…」



 




 こうして初日の授業は終了した。

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