第4話
私のスキルの発動条件がさっぱり分からない。
今分かってる事は
1:歌うと発動しやすい。しない時も偶にある。
2:発動するとその時だけランダムに人の心が見える。
3:どの人の心の声かは目の前で喋っていなければ判断出来ない。
以上。
本当に皆が無能スキルだ!って言うだけの事はある。
私だってそう思う。
だからと言って私を無能呼ばわりするのは腹が立つけど。
ちなみにこれ、村の人達が言っている訳では無い。
村の人達は皆優しいもの。
では誰が言っているかと言えば私の周りにいる、別の言い方をすれば同じ教室にいる皆。
つまり学校の同年代のご同輩達の事だ。
そう私は今、隣町の学校に来ている。
スキル授与の儀を受けた子供は国が設立している学校に必ず3年間通わなければならない。
ここで基礎的な学術を学び、それとは別に授与したスキルの効率的な運用方法を学んで行く。
スキルを延ばせば国がそれに見合った仕事を斡旋してくれるし、そのスキルを使って自分達の村をもっと豊かにする事が出来る。
スキル運用は卒業後、更に学校で数年掛けて学んでも良いが、その分の学費は自己負担になる。
その上、代々似たスキルを親から受け継ぐので大体は親から応用等ヒントを貰い自己研鑽してある程度成果を上げるのが一般的らしい。
ただ私の場合は些か一般とは違う。
何せ前例の無いスキル。
親と似たようなスキルでもなければ、使い方も良く分からない。
更には発動条件も非常に曖昧なのだ。
なので私は自力でこのスキルをマスターしなければ行けないと言う壁を目の前に置かれ、同輩達よりも2歩も3歩も出遅れてスタートする事を意味していた。
全てを1から自己研鑽しなければならず、負担がハンパないのである。
誰か説明書プリーズ!
等と泣き言を言っていても仕方が無いので、今時点で分かっている事を書き出したのだが、一言で言えば要検証なのである。
いったい私にどうすれと…。
とりあえず歌ってみた。
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