第284話 婚約者の水着
水着が完成したので、まずは婚約者達と完成したばかりのプールを楽しむことにする。
少し恥じらう婚約者達(主にアイリスとレイナ)だったけど、俺のために意を決してくれたことに深い感謝を。
まあ、セリィとアイーシャはむしろノリノリで受け取ってくれたんだけど、あの二人はそういう性格だよね。
そんな所も好きなんだけどね。
逆に、奥手なアイリスとレイナが俺個人の些細な欲望のために頑張ってくれたと考えると心から愛おしさが増してくる。
そんなのなくてもラブで溢れてるけどね。
さて、俺はシンプルな海パンと上に少しオシャレなラッシュガードを着ている。
ラッシュガードとパーカーどっちとも取れそうなものだけど、まあどちらでもいいか。
上に羽織ったのは、水着だけでキメられるほど自分の体型にあまり自信がなかったというのもひとつの理由でもあったりするけどそれはそれ。
太ってないし、むしろ痩せてるんだけど、どれだけ頑張っても筋肉がつかないんだよね。
トールやバルバン、レオニダスなんかはムッキムキでスタイルも良いので少し羨ましい。
トールなんて細身のはずなのにしなやかで綺麗に筋肉がついてて、羨ましい通り越して恐ろしさすら感じるレベル。
あれは全てにおいて神に愛されてると思うよ、マジで。
さて、体型への自信以外に上に羽織った理由はただ一つ。
何となくその方が雰囲気的に合いそうだなぁという、頭の悪そうな理由でしかないのだが、プライベートで楽しみたいだけなので気にしない気にしない。
「え、エル様。お待たせしました」
色々と準備して、のんびりと待っているとまずやって来たのはアイリスだった。
水色のシンプルなデザインのビキニにしてみたけど、涼し気な髪色と可愛いうさ耳とマッチして最高に可愛い。
「似合ってるよ。凄く可愛い」
「そ、そうですか?えへへ……でも、ちょっと恥ずかしいです……」
照れつつそんな事を言うアイリス。
うんうん、萌えの塊で本当に可愛すぎる。
「エルダート様、お待たせしました」
次にやって来たのはレイナ。
防水加工も完璧な車椅子も心做しかプール仕様にしてみたけど、そんなものが霞むくらいに白い肌が眩しい。
金髪の癒し系美少女の清楚な水着姿……素晴らしい。
「凄く綺麗だ。似合ってるよ」
「ありがとうございます。でも、こうした服は慣れなくて少し照れてしまいます」
恥じらい方まで清楚で本当にキュートだ。
勇気をだしてくれた二人には感謝しかない。
本当にありがとう。
そうして二人の水着を褒めていると、セリィとアイーシャが揃ってやってくる。
セリィの小悪魔的な水着姿も、アイーシャの少しオトナな水着姿も眩しくて愛おしい。
「……主、どうどう?」
「うん、よく似合ってる」
「……せくしー?」
「凄くキュートだよ」
「……えっへん」
どうやらお気に召してくれたようだ。
それはそれとしてくっつき過ぎては?
いつも通りの距離感だけど、今は水着なんだけど?
「私は似合ってませんか?」
そんなセリィに負けず劣らずくっついてくるアイーシャ。
「勿論、似合ってるよ。大人っぽい水着が似合うねアイーシャは」
「ふふ、一応年上ですから」
うん、知ってるよ。
返答にお気に召して頂けたのなら良かったけど……あんまりくっつき過ぎると色々ヤバいので程々でお願いします。
「セリィさん、アイーシャさん。この姿でいつもの距離感ではエルダート様が困ってしまいますよ」
そんな俺に助け舟を出してくれるレイナ。
本当に助かります。
「エル様も水着似合ってますね!」
「そう?トールみたいにムキムキじゃないけどね」
「あれは例外でしょう」
アイーシャにすらそんな扱いなトール。
まあ、普段のとんでもない行動を見ればそういう結論になるよね。
「羽織るものも用意してるけど居る?」
念の為に聞くけど、無論ノーをしてくるアイーシャとセリィ。
こちらは予想通りだけど、意外なことにレイナとアイリスもノーと答えてくれた。
恥ずかしいだろうに無理に我慢しなくても……なんて一瞬だけ思ってしまったけど、俺のために頑張ってくれてるのだと気付かされて口にはしない。
冷える前に着ればいいしね。
「さて、じゃあ準備運動してからのんびり遊ぼうか」
水辺での事故は海に限った話ではない。
プールという場所でも、少しの油断と不運で大きな事故に繋がるのは当然のこと。
一応各所に魔道具を置いたり、もしもの時のために色々と仕込みもしてあるけど婚約者達が怪我をしても嫌だしその辺はきちんとしておく。
特に天性のドジっ子の素質があるアイリスと足が不自由なレイナには手厚くしてしまうけど、無論セリィやアイーシャにも同じくらいに手厚くするのは忘れない。
差をつけるべき所とそう出ない所。
見極めは難しいけど、なるべく公平にがモットーです。
まあ、そうでなくても過剰に俺は愛を向け過ぎてしまうきらいがあるので気をつけないと。
前世の反動か客観的に見て不器用な愛を向けそうになるからね。
セーブしつつもでも、それはそれとしてストレートに気持ちは伝える。
だから、セリィさん、アイーシャさん。
どさくさに紛れて引っ付くのはやめて。
理性にだって限度があるからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます