第42話 武器庫

 城は、城下町と同様に派手なものであった。

 到着すると逃げた人達と、兵士が戦っていた。

 とはいっても、逃げた人達は武器を持っていない為、複数の人達が抑え込んでいるという表現に近い。

 城の中に入ると、至るところで戦っている。


「ここは私達に任せて、あなた方は先に行ってください。」


「ありがとうございます。皆さんの頑張りを無駄にしません!」


 逃げた人達と別れて、ミーナが走り出した。


「牢屋で話しましたが、武器を探してきます。」


「待て、俺も行く。直接、持ち主が確認した方が間違いないだろう。カイル達は、先に行ってくれ。すぐに追い付く。」


 武器を探しに行くミーナとタイロン。

 玉座を目指すカイルとユイ。

 カイル達は、上手くすり抜けながら階段を上がっていく。

 そして、玉座の間に着いた。

 そこには、マネースキー王の姿があった。

 近くには護衛がいる。


「なぜ、お前たちがここにいる! 牢獄に入っているはずだろ!」


「私が助けたからですよ、マネースキー王。」


「お前は、確かホープ村の医者だな。なぜ、助けた?」


「あなた方のやり方が気に入らなかったからですよ。きちんとした説明もしないまま、周りの人々を巻き込んで!」


 ユイは、考えをはっきりと伝えた。

 マネースキーは肘をついて、黙っている。



 タイロンサイド


 武器を探している、ミーナとタイロン。

 ミーナが、装備品などがありそうな部屋を奥に見つけた。


「見てください、タイロン! この部屋に置いてあるのではないでしょうか?」


「そうだな。いろんな種類の武器があるから、あるかもしれないな。探してみよう。」


 2人は、手分けして探してみる。

 大砲や剣などがあった。

 すると、タイロンは乱雑に置かれた武器が目に入った。


「ミーナ、来てくれ。」


「ありましたか?」


「あぁ、だが雑に置かれてしまっている。恐らく、この辺りの武器が捕まってしまった者の武器だろう。」


「これは、カイルの剣ですね!」


「俺の斧も見つかった。」


 剣をミーナが預かっておく。

 タイロンは、再び斧を手にした。

 2人は、他の武器を見える位置まで移動させる。

 逃げた人達の為だ。


「もしかして、あれは私達の武器ではないですか?」


「あぁ、奥に置いてあった。」


「見つけてくれて、ありがとうございました。」


 何人かの逃げた人達は、タイロン達に気がついた。

 そして、武器を見つけてくれたお礼を言った。

 その人達は、他の逃げた人達にも教える。

 どうやら、武器は戻ってきそうだ。


「私達もカイルとユイの所に行きましょう!」


「そうだな。」


 彼らに任せて、先を急ぐ。

 2人は話をした後、カイル達のいる場所に向かった。


「良かった、追いついた。」


「カイル、見つかりましたよ。これをどうぞ!」


 ミーナに渡されたのは、カイルの剣であった。


「2人とも、ありがとう! 今、マネースキー王と話している所なんだ。」


次から次へと、人が来ることに驚くと同時に、怒りの表情を見せるマネースキー王であった。

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