第30話 宿屋

 話は、現在。


 通行ができるようになった道を歩いて、次の場所を目指すカイル達。



「それにしても、漁師の皆さん良かったですね!」


「あぁ、そうだな。」


「2人も頑張ってくれたからね!」



 クロス町の事を振り返っている。


 全て解決した、とまではいかなかったが、最初に出会ったときに比べれば、良かったと言える結果であった。



 しばらく、歩き続ける。


 建物が見えてきた。


 よく見ると、宿屋だった。



「今日は、ここで休んでいきませんか?」


「疲れたからな。」


「それは、良いね。次の町まで、どれくらい離れているのかも分からないからね……」



 軽く話をすると、宿屋に入っていった。


 中に入ると、宿屋の主人が受付に居た。



「宿屋へようこそいらっしゃいました。」


「部屋は空いていますか? 2部屋なんですが……」



 主人は宿帳を確認する。



「泊まれますよ。ご案内します。」



 部屋まで案内されると、一度ミーナと別れる。


 カイルとタイロンも部屋まで案内されると、宿屋の主人にお礼を言って部屋に入る。


 そして、食事をするために、食堂に行く。


 ミーナも来て、話をする。



「明日、宿屋の主人に近くの町について、聞いてみようと思うんだけど?」


「それは、良い考えですね!」


「俺達は、この辺りのことは分からないからな」



 宿屋の主人に聞いてみて、情報を集めることにした。



「タイロンは、クロス町での作業は大変ではなかった?」


「イカチ村でやっていた作業とあまり変わらなかったからな……カイルは?」


「僕は、簡単な作業だったからね。それに、ミーナも頑張ってたみたいだね!」


「お役に立てたかどうか、分かりませんけど……」



 話が終わると、ミーナと明日の確認をして、部屋に戻った。


 その後、お風呂に入るなどして眠りについた。



 次の日の朝、受付の近くで合流した。


 疲れも取れたようだ。


 支払いをする為に、受付に行く。



「昨日は良く眠れましたか?」


「はい、おかげさまで。あの、1つお伺いしても宜しいですか?」


「もちろんです。」


「ここから先に、町や村はありますか?」


「王国がありますね。そこに行くまでに、小さな村もあったと思いますよ。」



 宿屋の主人は、カイル達に説明をする。



「そうですか。教えて頂きありがとうございます。」


「ありがとうございました。」



 カイル達は支払いを終えると、宿屋を後にした。


 道を歩いていく。



「どうするんだ?」


「王国に向かいますか?」


「そうだね。ただ、小さな村もその近くにあるみたいだから、行ってみても良いと思うんだけど……」


「急ぐ用も無いしな」


「行ってみても、良いかもしれませんね!」



 話し合いの結果、小さな村に寄ってみることにした。

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