第16話 国王の懐
国王と謁見することになった、カイルとタイロン。
緊張した様子だ。
一方で、堂々とした姿で玉座に座っている国王の姿が目に入った。
ここから先はマナーとして静かに歩き、話さないようにする。
王女が、国王に伝える。
「国王様、国宝品の剣を届けに来た者を、連れて参りました!」
「ご苦労…… 下がってよい……」
王女は、カイル達に前に行くよう合図をすると後ろに回る。
カイルと、タイロンは挨拶をする。
「カイルと、申します。」 「タイロンです。」
「今日は、このような機会を設けて頂き、ありがとうございます……剣を届けに参りました。」
「うむ。私はアルメスク王国、国王バトラだ。始めに、私からそなたらに話がある。……申し訳ない……そなたらには、大変な思いをさせてしまったことを謝らせてほしい……このとおりだ!」
バトラ王は、頭を下げた。
ここまでの旅やこの城での出来事を指している。
周りにいた大臣や兵達が止める。
「止めてください……国王様が頭を下げるなどあってはなりません!」
「それは、違う……間違った選択をしたのであれば、謝るのは当然のこと……物を申す立場であれば、尚更だ! 話し合いは、その後始まるのだ……」
国王の話を聞いて、カイルとタイロンは自分達がまだまだ未熟であることに気付かされた。
そして、国王の言葉に返答する。
「ご無礼をお許し下さい……分かりました……国王様の謝罪を受け入れます。」
「それで良い! これで、本題に入れるな!」
国王様の余裕のある笑みに圧倒される。
そして、カイルは隠していた剣を差し出す。
「こちらが王国の剣でございます……ご確認お願い致します!」
カイルから剣を受け取ると、剣先からじっくりと確認する。
剣に刻まれた印も見る。
王国の印である紋章が彫られている。
「うむ。間違いないようだな! 良く頑張ったな……カイル! タイロン!」
2人に声を掛けると、剣を預けるために兵を呼ぶ。
しかし、駆け寄った兵士は剣を手に取ると、扉に向かって全速力で走り出した。
どうやら、ここから逃げるようだ。
今は、剣を奪い返すことが最優先だ。
カイルは、ダグラスに貰った剣を手に取る。
タイロンは、斧を準備する。
振りかざした剣を、タイロンが斧で受け止める。
王国の剣が壊れないように、相手の力に合わせる。
次の瞬間、カイルが斬り倒す。
他の兵士達が、逃げた兵士に覆い被さって捕まえることが出来た。
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