第32話 次回予告(2話後)ヤマカワ死す。デュエルスタンバイ!


 で、今後のヤマカワの処遇としては、ナターシャが責任を持って王都に引き渡すことになった。


 前回の失敗はサテュロスに引継ぎを任せたことだから、同じ失敗はできないよな。


 つってもまあ、ヤマカワにはスキル:トンズラがあったってことだから、そこはサテュロスをそんなに責めるわけにはいかないけど。


 それに、サテュロスから取り逃がした説明を受けたナターシャが「そんな小物は放っておけ。アーカムフェアリーの必殺を食らったなら、もうこの森で悪さはしないだろう」って言ったらしいし。


 だが、今回はキッチリやる。


 もちろん、これまでの経緯も王都の人に全て説明して、ガッツリ責任は取らせるつもりだ。


 なんせ、もうこの馬鹿は放置しておいたら人に迷惑しかかけんからな。



「それじゃあボクが全責任をもって、このクズを死刑にさせてくるよ」



 ニッコリと笑うナターシャは、例えるならマジキチスマイルという感じだった。


 まあ……ぶっちゃけ怖い。


 よほど、嘘の理由で公務の時間を取られたことにブチぎれているようだ。


 サラっと死刑って言葉使ってたし……。


 俺としても同郷のよしみとはいえ、さすがにこれ以上はかばい立てする義理はない。


 死刑は妥当なところだろう。



「しかし、さすがはナターシャ様ですね。あの神速の連打……私では目で追うのがやっとでした。はたして、旦那様とナターシャ様はどちらがお強いので?」



 そんなエリスの言葉を受けたナターシャは、しばし考えてから悔しそうに笑った。



「そりゃあサトルじゃないかい? 差は結構あると思うよ?」



 その言葉で、エリスとアカネは絶句する。


「差がある? ナターシャ様……それはご冗談ではないのですか?」


「ああ、大マジさ」


「魔獣人王様をして……そう言わしめるとは、さすがはサトル様です」


 二人はドン引きの表情だ。

 やっぱりナターシャってのは、この森では絶対的強者として君臨してんだな。


「でも、ボクは……サトルと同格を一人だけ知っている」


 その言葉でエリスは大きく目を見開いた。


「ナターシャ様よりもお強いサトル様と同格!? そんな人がこの世にいるのですか!?」


 コクリと頷き、ナターシャは真剣な眼差しを俺に向けてきた。



「その名は太公望……仙界の最終兵器と言われている女だ」



 あー、太公望か。

 それなら、べらぼうに強いと言われても納得だ。


 なんせ、アレって強すぎて仲間にならないキャラだからな。


 ストーリー上、最終局面で味方にはなるんだ。だけど、一緒にパーティーを組んで戦闘ができる類のキャラではない。


 アレは確か……主人公たちでどうにもならない難敵の軍勢をたった一人で抑え込んで、魔王への道を作るっていう役割だったキャラのはずだからな。


「まあ。確実に太公望はサトルと似たような領域にはいるはずだよ」



 と、そんなこんなで俺たちはヤマカワを縄で雁字搦めにして、猫耳族の里へと戻ったのだった。















 サイド:ヤマカワ




 あれから――。


 ナターシャとか言う……やたら股間がモッコリしている姉ちゃんに俺は王城へと連れていかれた。


 ちなみに、これもあのオッサンの女らしい。


 ってか、女なのか? いや、めっちゃ美人だけど……モッコリが気になって仕方ねえ。


 しかし、あのオッサンに一体全体何が起きてるんだ?


 奴は素人童貞の戦力外だったはずだ。それは絶対に間違いない。


 この短期間でマジでやべえほどの綺麗な嫁を何人も引き連れて、オマケに全員が一騎当千のマジやべえ戦力ときたもんだ。


 なんせ、この俺様をフルボッコにするほどの女達だからな……。


 ナターシャに至っては小国なら一人で滅ぼせる程度の力があるって話だし、マジで意味分かんねえ。


 しかし、本当に頭にくる奴らだ。


 なんせ、モッコリ女に……俺様のジュニアは完全に破壊されちまったんだ。


 フェアリーには棒を、モッコリ女には玉を……これで俺様の優秀な遺伝子が世に広がることはなくなった。


 全く、なんてことしてくれてんだよ。


 これじゃあエロいことして力をつけることもできねーし、そもそも俺様の優秀な遺伝子の子供ができないとか人類の損失以外の何物でもねーだろ。 


 と、それはさておき、俺はモッコリ女のせいで危うく吊るし首になるところだったんだよな。


 ま、そこは天才の俺様ってことで、度重なる股間のダメージで虫の息状態で動けないフリをして、王城の連中が油断しきるのを待ってたんだがな。


 つまりは、牢獄に入れられていた俺様は転移賢者の力を使ってヨユーで脱獄したってわけだ。


 最後の最後の本当の虎の子の俺様の最終スキル:魂魄燃焼でマナを大量に得て、鬼獣王と鬼鳥王とオーガキング20体を召喚したわけな。


 で、大混乱のウチにちょちょいのちょいって感じだ。


 おかげで俺様の寿命が20年も縮んだんだが……まあ、それは仕方ねえ。



「あのオッサンだけは……絶対に許さねえ!」


 

 そうして今、俺様は大混乱の王城の地下に潜り、宝物庫へとたどり着いたってわけだ。


「ここは立ち入り禁止――あびゅしっ!」


 鬼獣王に命じて、邪魔をしてきた警備兵をぶっ殺す。


 で、やはり俺様は鬼獣王に命じて宝物庫の扉をぶっ壊したんだ。


 副産物ってなもんで高そうな宝石を持てるだけ持って……そんでもって俺様はお目当てのモノを発見した。


  

 ――邪仙:妲己の腕輪


 

 妲己ってのは狐の妖怪仙人で、確かキュウビノキツネがどうのこうのとか……魔法師団長はそんなことを言ってたな。


 ともかく、効能は邪悪な力で、仙界の仙人を一時的に操ることができるとか言う話だ。



「見てろよあのおっさん……」



 そうして俺は中立とか言って、この近辺の山で暮らしている太公望とか言う奴の住んでいる場所に向かったのだった。



・お知らせ

 次回予告(2話後)ヤマカワ死す。デュエルスタンバイ!


※ 本当に死にます。



・お知らせ その2

 小説家になろう様でも投稿しています。

 現時点で若干だけ、あちらの方が先行となっています。

 基本的にカクヨム先行となると思いますが、ご都合よろしい方は両方チェックしてもらえればと思います。


 タイトル試行錯誤中で

・エロゲの世界でスローライフ

・エロゲの世界でのんびり領地改革


 以上のどちらかでやってると思います。            

 ※ ノクターン(なろうの18禁版)でもやってますが、あっちは様子見しつつのゆっくり更新です。一部、大人のオモチャの名前等を全年齢版はボカしてるので、そこの修正レベル程度での並行連載となります。

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