第二章 復讐
生徒達と初めての対面が終わった後、次に私は校長室へと向かい、コンコンコンと三回ノックをして中へ入る。
校長「やぁ、工藤君。あのクラスはどうだったかね」
私「伸びしろがある子ばかりでしたよ。『教師』という夢が叶った上に『担任』という役割を頂けた事、光栄に思います。これから頑張りがいがあります。」
校長「おお!それはなんとも頼もしい事だ…まあ、あんなクラスだから3人も辞職した根性無し達がいたが、君は学歴も人柄も優秀な上に、志もしっかりしているのだね。
…くれぐれも私をガッカリさせないでくれたまえよ」
私「はい。」
私の目を強く威圧的に見つめながら、校長はそう仰った。
教頭「…」
私達の会話を最初から最後まで校長の後ろで聞いていた教頭は何か考えていたようだ。
話が終わり、私が校長室を出て廊下を歩いて職員室へ向かっている時、私の後ろを誰かが付けているようだった。
私「(校長室へ入る時は誰もいなかった…出た時は右にも左にも誰の姿も無かったし、声も聞こえなかった。
て事は…)」
教頭「おい『工藤』」
と後ろから、教頭が私の名を呼んだ。
私「(ビンゴ。)…はい。なんでしょうか?」
教頭「…お前、あの有名なK大を卒業したそうじゃないか。」
私「まぁそうですね…入学も卒業も至って『簡単な事』でしたよ。」
教頭「…ははっ。随分変わったもんだな。よくやるよ、お前が高三の頃にこの学校の今お前が持っているクラスで…」
私は彼の目を睨みつけた。
教頭「っ!!…なんだその目は!」
私「…いいえ。懐かしいなと思いまして
…私は嬉しいんですよ。なんたって『母校』で『教師』として働けるんですから。」
私は笑顔でそう返した。
教頭「あっ、あぁ!そうなのか!それなら良かったよ!…いやなぁ、『昔』の事引きづっていたら俺がフォローしてやろうと思ってな!ほら…いじめ…」
私「先生」
と教頭の話を遮るように大きな声で言った。
教頭「!!」
私「ここは学校ですので、そのような話はやめましょう。縁起が悪いでしょう?それに、もう『過去』の事なので水に流しています。」
教頭「…そうかそうか!すまないな、変な話をして。もうお前は俺の『生徒』ではないからな!これから頑張ってくれよ!先生!」
そう言って私の肩をポンと叩いた。
私「…ありがとうございます。」
彼が再び校長室へ戻る様子を見ると、私は教員用トイレへ向かった。
ジャーーーーーーー!!!
何度も、何度も叩かれた左肩を洗い流した…
私「…ははははっ!(何が頑張ってくれだ。あんなやつ世間のゴミ以下の害虫な癖に…)」
そして勢いよく流れ出る水を眺めて
私「…過去の事を水に流す…ね…自分でもよく言えたもんだ。(許すわけない。許してたまるか…まぁいい…もうすぐ…)」
鏡に移る自分を見て、微笑んだ。
そう、これから僕は『教育』をするのではなく…『復讐』をするのだ。
この、世界へ向けてー…
悪の指導者 長月 音色 @mameshibapatororu
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