巫女として崇められる妹を持つ、活動的な少年・ソル。
魔女として恐れられる姉を持つ、大人しい青年・エクト。
一見、正反対にも思える二人が出会い、それぞれの大切な人を助け出そうとする物語です。
視点とシーンの切り替えが効果的で、ストーリーがテンポ良く展開していくため、読みやすさ抜群!
簡潔かつ易しい言葉での描写ですが、浮かび上がる情景はとても色鮮やかです。
登場人物一人ひとりの抱える想いも、物語を追ううちに自然と沁み入ってきます。
中でも、ソルが魅力的です。
妹を救おうとしたことで追われる身となった彼ですが、常に前向きで躍動的。
何もかもを諦めようとしたエクトにかけた言葉が、とても印象的でした。たぶん本作のヒロインはエクトです。
物語序盤から漂っていた、深く暗い夜の闇の中にいるような感覚。
それがラストでは夜明けを迎えて、ぱぁっと希望に満ちた風景が目の前に広がりました。
温かく清々しい、素晴らしい読後感でした。
小学校高学年くらいからのお子さんにもお勧めできる物語です!