ドラゴンを連れた鍵師は真っ白な世界で対峙する3
「はあ? なにそれ?」
アイシアは両腕を組んで冷たい目でキイを見ている。
「だから、遅くなったんだよ」
「キイ。そのいいわけはないと思うよ」
ショセイがため息をつきながらキイの肩をポンと叩く。
「そうそう。なんだよ。その白い世界って意味不明」
ムメイジンはご飯をパクパク食べながらショセイに同意する。
「白い世界はどうでもいいわ。遅れたのは許してあげる。だけどねえ! 買い物はどうしたのよ!? 手ぶらってどういうことなの!?」
「えっとそのお」
キイがショセイたちに助けを求めるような視線を向けるも二人はそっぽを向く。頭の上に乗っていたリデルはキイの肩から離れるとオロオロしているペルセレムの肩に乗る。
「さーて、買い物もろくにできないキイくん。次はどんかいいわけするつもりですか~」
怖い
こわいこわいこわい
アイシアがものすごく恐い!
キイは必死にアイシアの機嫌を良くする言葉を考えようとする。しかし、なかなか思い付かない。
「あっ、そういえば広場でサーカスやってんだよ。ピエロとかすごいんだぞ。今度見に行かねえか?」
「サーカス? あんたーまさかー買い物ほっといてサーカスみてたわけえええ!」
まずい
完全に墓穴を掘ってしまった。
「いや、その、あはははは!」
キイは笑ってごまかしていると、アイシアの怒りは頂点まで達した。
「ぶさけるなああああ!」
アイシアの怒りの声とキイの悲鳴が宿中に響き渡るのであった。
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