父からの手紙1

 キイへ


 キイ、元気にしているか?


 父さんは元気にしてます。




 村は相変わらずの寒さで、昨日はたくさん雪が降ったよ。


 もうすぐ祭りということもあって村は盛りあがりを見せている。


 けど、父さんは浮かれている暇ないさ。近所のラグラさんがまた鍵を失くしまって、金庫が開かなくなったと大騒動したんだよ。とりあえず、鍵を探したが見つからなかったということで新しく鍵を作ることになったのさ。


 なにせ金庫の鍵だ。だれかが鍵を見つけて金庫に入っている財産を奪われでもしたら大変だ。だから急ピッチで作ったというわけだ。


 もちろん、鍵を失くすなと釘を打ったさ。


 突然来られてもこちらも予定があるんだ。勘弁してほしいところだ。


 けど代金はたっぷりくれたのだから、まあ良かった。


 なにせラグラさんの家は村で一番の資産家だ。そりゃあ、お金はたくさんもっているさ。



 そういうわけで金貨をかなりもらったわけだ。あっ金額は言わないぞ。


 キイに余裕で渡せるほどのお金をもらったということさ。


 キイがどれくらい稼いでいるかは知らない。


 もしかしたら、父さんがもらった金額よりも多くもらっているかもしれないが、父さんなりの気持ちだ。受け取ってくれると嬉しい。



 お前が母さんを探したいという気持ちはわかる。



 だが、無理はするなよ。


 たまには連絡しろ。







 父より


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