ドラゴンを連れた鍵師と仲間は洞窟探検をする1
とりあえずパーティー認証はされたのだが、「史上最弱」というとんでもないネーミングをつけられたキーたちに依頼が舞い込むわけもない。
否応なく一番賞金の少ないEランクのクエストに挑むということになる訳だ。
Eランクというものはモンスターたちに遭遇することが限りなく少ない洞窟探索である。もちろん洞窟だ。未知なる生命体が存在するリスクだってなくはないし、実は最強のモンスターのすみかだったりもする。
とはいえども、洞窟探索もれっきとした冒険者の仕事。少なからず経験値も入るわけだから、貧乏パーティーにはある程度の稼ぎにはなるはずだ。
それに今回はただの洞窟探索ではないらしい。そこにはモンスターがいるという情報もあり、それを倒せばそれなりにポイントが稼げる可能性もあるのだ。
それを聞いてようやくちゃんとした冒険者の仕事にありつけたような気がして、キイたちの胸は高鳴っていた。
「よーし! 張り切っていくぞおおお」
そのなかでも異世界からやってきた記憶喪失者よ少年ムメイジンのテンションは異様に高く探索予定の洞窟がある森の中へとズンズンと進んでいく。
「おいおい! こらっ! 勝手に進むなよ」
キイが止める。
「そうよ。ちゃんとマップを確認しないと迷子になるわよ」
アイシアはマップを広げながらいう。
「大丈夫。大丈夫。道はつながっているさ」
ムメイジンはまったく聞いて風でもなく鼻歌をさなでながら森の中へと消えていこうとした。
「だから、だめだって! 」
キイがそれを追いかける。
「キイ! ちょっとおおお」
「僕らもいこうか」
ショセイの言葉でアイシアはマップを一度閉じるとキイたちを追いかけて森へと急いで入っていった。
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