第58記:落胆と絵葉書

 業務終了。ロッカールームに行き、着替えと身支度を済ませた。自ロッカーの施錠を確かめてから、部屋を出た。職場から、一番近い駅まで徒歩で移動する。途上、商店街の中にある定食屋に寄った。店の奥に進み、空いている席に腰をおろした。

 嫌な予感がした。マスターが厨房を出て、常連客らしきおっちゃん二人と談笑していたからだ。俺の頼んだ料理を作っているのは、これまで一度も見たことがない人物であった。断定は禁物だが、多分、アルバイトだろう。俺ごときの注文は「バイトにやらせておけば充分…」というわけか。


 実際、出てきたやつは酷い出来で、俺が作った方がまだマシではないかとさえ思った。食前のレモンサワーは旨かったが、肝心の料理がこの有様では、どうにもならない。代金を払い、暗澹たる気持ちで店を出た。ここの暖簾を再びくぐることは恐らくあるまい。


 帰宅後、浴室に行き、シャワーを浴びた。体を拭き、服を着た。居室に行き、愛機を起動させた。メクる…ではなく、ぴよぶっくを呼び出した。編集画面に飛び、最後の日記「散り際に、怪僧を射た」を作成した。

 2019年の身辺雑記のタイトルは「〇〇に、△△を射た」を基本形にするつもりである。散り際に…はその先行使用というわけ。シャットダウン確認後、トリスの水割りを呑んだ。酒肴は、またぞろ、冷たいおでん。〔29日〕


 朝8時に起床。洗顔後、電気ケトルにミネラル水を注いだ。沸き立ての湯で、即席コーヒーを淹れた。手作りあんドーナツを食べながら、熱いやつを飲んだ。窓の向こうに青空が広がっていたが、雑用や洗濯は後回し。


 居室に行き、愛機を起動させた。メクるとぴよぶっくを呼び出し、転生作業に没頭した。この没頭も間もなくできなくなる。寂しい。休憩後、写真群を1枚投稿した。シャットダウン確認後、テーブルの上を片づけた。


 年賀状の宛名を書く。俺の年賀状は、何度も書き述べているように、ポストカードを代用したものである。これが案外、好評なのだ。記入後、各カードに切手を貼る。いわゆる特殊切手である。動物、国宝、星座、和菓子、リラックマ(!)など、当家の在庫はなかなか豊富である。

 もっとも、俺はコレクターではない。蒐集目的で切手を買ったことは一度もない。俺の場合、カードも切手も「出すこと」が前提なのである。


 作業後、全てのカードを「乾かし場」に移動させた。させてから、身支度を整えた。数日分の衣類を担いで、近所のコインランドリーへ向った。歩数計の付属時計が、昼の3時半を示していた。

 到着後、担いできたものを常温(洗い)専用機に放り込んだ。扉を閉め、最速コースを選択した。指定の金額を投入し、始動ボタンを押した。〔29日〕


[シンカワメグムさんのコメント]

年賀状。おおう…丁寧ですなあ~!届いたデジタルプリント年賀状の中に

ぽつんと手書きで丁寧に書かれた闇塚さんの年賀状。目を引きますね~

切手まで素敵な年賀状。もらった方が喜ばれるのが分かります。

リラックマ、スゴイ、切手まであるのか…。(;'∀')


洗濯。冬場はつらいですね~本日もランドリー闇塚氏(笑)お疲れ様です!


[闇塚の返信]

手間は然程でもありませんが、お金はかかっています(笑)。


面倒でたまりませんが、やらないわけにもいかないんですね。でも、洗濯自体は結構好きです。ランドリーまで運ぶのが億劫なのです。

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