第57記:御節

 発車と同時に本を開いた。追跡編収録の「山陰カニババ旅」を読み始めた。謎の魚「ババア」が登場する。無論通称である。本当の名前は「タナカゲンゲ」というそうであるが、こちらも相当奇妙だ。

 名称はさておき、なかなか美味しい魚のようである。どんな姿形をしているのか、興味が湧いたが、残念ながら、写真は載っていなかった。椎名先生は「本体もしみじみと平べったい。全体にぬるぬる系で目が小さく、そのまわりにしわがたくさんある」(281頁)と、描写されている。


 職場到着。売店に行き、朝食を買った。卓席に座り、ショコラブレッドを食べながら、コーヒーを飲んだ。食後、ラジオの情報番組を聴いた。今日の話題は「最新おせち事情について」であった。

 なるほど。色んなおせちがあるものである。作り手売り手の皆さんは、知恵を絞り、工夫を凝らしている。その情熱には敬意を覚えるが、俺にはほとんど縁のない商品のように思われた。電源を切り、卓上を片づけた。


 午前業務終了。職員食堂に行き、券売機でBランチを買った。今日のBはババア…ではなくて、アンコウの空揚げであった。悪くない味だが、あまりにも量が少ない。まるでスーパーの店頭試食である。

 食後、茶碗一杯分の水分を補給した。食堂を離れ、休憩室に向かった。昼寝の支度を整えてから、カニババ旅の続きを読み始めた。〔27日〕


[シンカワメグムさんのコメント]

漢字にすると田中玄華。どこぞの華族のお嬢様の名前見たいですなあ(;´Д`)

日本海側ではたまに取れますね。でも深海魚特有のグロさで一般人気無し!

うちの方ではナンダラと言われることが多いですかね。ババアは鳥取県かな~

こんなん食おうとするのは、港近くの地元の人間しかいねえです。(。-∀-)

ババアと言うか、いかりや長〇に近いかもしれない…。ギョっとしますぞ(笑)

でも良い出汁が取れて、鍋にすると最高なのを地元の人間は知っている。

タナカさんに限らず、これから魚は美味しい季節ですね!!食べたい!!


おせち料理。なんであんなにお高いのでしょう。しかも手間がかかる割にはあんまり美味しくないし…もう今は全然やる気がありませんな!!

来年も餅(貰い物)と寿司と酒があればいいや~( ̄∇ ̄;)ハッハッハ


アンコウ~!!深海魚つながりですな!!魚系の小説を読んでいると

ランチのグレードが上がるシステムかもしれませぬ!魚系推奨!!(/・ω・)/


[闇塚の返信]

グロテスクな外見をしている魚ほど美味しいのかも。アンコウもそうですね。


出発が「保存食」だったからでしょうか?昔のおせちと今のおせちとは、味が「全然違う」そうですが、あえて買いたいとは思わないですね。

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