第48記:景品

 シャットダウン確認後、身支度を整えた。最後のカギをかけてから、屋根付き通路を進み、剥き出し階段を下った。アパートを離れ、町外れの古書店を目指した。頭上に師走の青空が展開していた。

 途中、大きめの郵便局に寄り、和菓子を題材にした特殊切手を1シート購入した。その際、ある質問をした。困惑され、わかりませんという返事が返ってきた。さあ、弱ったぞ。郵便局に来てもわからないとなると、どこに行けばわかるのだろうか?


 古書店到着。物色後、随筆4冊と萬画2冊、計6冊をレジに運び、代金を払った。店を出て、駅方面へ歩いた。はんこ屋に寄り、一部修正を施した住所印を受け取った。先週依頼しておいた品である。職人芸が光るいい仕上がりだ。早速使いたくなる。

 店を出て、歩行者の邪魔にならない場所まで移動した。弁当屋に電話をかけた。おばちゃんが出てくれた。今日は忙し過ぎて、注文が受けられないという意味の返事が返ってきた。相変わらず、繁盛しているようだ。


 帰り道の途中、手作りパン屋に寄り、手作りパンを四つ買った。勘定の際、おばちゃんが「これはおまけです」と云いながら、ミニケーキをひとつ、俺の袋に入れてくれた。まったくありがたいことである。

 帰宅後、露台の吊るしものを屋内に取り込んだ。その後、再び外出。近所のスーパーに行き、食べものと飲みものを買った。家に戻り、浴室の清掃をやった。洗い立ての湯舟に温水を張り、入浴剤を溶かし込んだ。


 浴室を出て、体を拭き、清潔な衣類を身に着けた。台所に行き、電気ケトルにミネラル水を注いだ。沸き立ての湯で、インスタントコーヒーを淹れた。おばちゃんにもらったケーキを食べながら、熱いやつを飲んだ。〔16日〕


[Quinもわさんのコメント]

寒い日が続き、街の景観もあぁ年末だなぁと感じさせる装いになりつつ……私は激怒したりする。終わりだからと油断せず気を引き締めていきたいとこですね。


[闇塚の返信]

そうですね。緊張感が途切れた瞬間が怖いですね。

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