第31記:巨匠
身支度を終わらせた。最後のカギをかけてから、アパートを離れた。携帯電話の時計が「夜の8時」を示していた。近所のスーパーに入り、鮮魚売場に足を進めた。刺身の盛り合わせなるものが、半額で売っていた。
俺が手を伸ばすと、ほぼ同時に、別の手が伸びてきて、ほぼ同時に、商品を掴んだ。どちらが早いか遅いかで、そいつと猛烈な口論になり、気がついた時には、殴り合いの喧嘩を演じていた。
俺たちは店内設備を破壊しながら、尚も乱闘を続け、急報を聞いて駆けつけた警官隊に取り押さえられた。そのようなわけで、このブログは牢屋の中で書いている。ウソだ。いかな俺でもそんな馬鹿なことはしない。
帰宅後、愛機を起動させた。メクるを呼び出し、伊丹映画の感想文を書いた。シャットダウン確認後、卓上を綺麗にし、飲酒の用意をした。マグロとブリとホタテの刺身を食べながら、レジェンドの水割りを呑んだ。
晩酌後、食器類を片づけた。居室に戻り、改めて、水割りを作った。呑みながら、佐藤忠男の『黒澤明の世界』(朝日文庫)を再読した。同書のカバーは、黒澤監督の画集から転用された「『乱』の絵コンテ」である。
世界のクロサワは、画家としても優秀であった。いや、優秀な画家が映画監督になったと云うべきか。ともあれ、大変な才能の持ち主でした。〔18日〕
[柳乃奈緒さんのコメント]
フィクションを取り入れたブログもなかなか面白いですね♪
毎回拝読するのが楽しいです。(プレッシャーをかけてるつもりはありませんw)
伊丹作品は私も「お葬式」と「マルサの女」ですね。山崎努さんは私も好きな俳優さんの一人です。私個人としては、この頃の邦画はあまり好んでは見ないのですがこの「お葬式」という作品は面白くて3回か4回くらいビデオやDVDで観ました。
[闇塚の返信]
「マルサの女」の山崎さんも良かったですね。集大成的演技じゃないかな。
いい作品だと思います。そんなにお金をかけなくても、面白い映画は作れるという見本ですね。伊丹さんにはこの路線を追求して欲しかった!
[シンカワメグムさんのコメント]
警官隊まで読んで、やっと、「…ん?」となる、
とにかく真に受けやすいB型。シンカワ。(笑) おっせええ~~(笑)
流石は古代魚の化身。生魚に対する執念が違います。
古代魚闇塚氏だったら、口論も高音波でやりそうですな。
人間ごとき圧勝ですばい。お刺身ゲットだぜ!←ポケモン調で。
おっ今日は世界のクロサワですか。奇遇ですな!お絵描きご依頼で
作画の参考に、自分は世界のミフネを見ておった所でございます。
もう構図がかっちょいい!!たった一瞬の為に役者の髪の毛一本まで
こだわるその執念。かなりの狂気です。拝みながら、クロサワのミフネを
お絵描きのお手本にさせて頂きました。ありがたや~
[闇塚の返信]
何と云っても、魚は刺身が一番だと思います。つまらん弁当を食べるぐらいなら、刺身をおかずにしてご飯を食べます。そちらの方が安いですし。
黒澤映画に出ている時の三船さんは本当に凄いよねえ。他の映画とは別人みたい…なんて云ったら怒られちゃうけど。ともあれ、日本映画史上、最強のコンビであることは間違いないでしょう。
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